■ RICE

■現場で役立つ処置方法。(リハビリ)

 「症状を悪化させない救急処置」として現場で行なう手当の方法。

 医療行為が出来ないスキーパトロールは、RICE処置方法を基本に手当します。

 救急法の中では、スキー場で発生する事故だけの解説はありません。

 実際に経験した事故事例の中で、最小限に皆さんが簡単に出来る
 手当の方法を解説してみました。

 参考にしてください。

 初心者の方でも知っているだけで、随分結果が変ってきますし、将来
リハビリをする時も楽になります。

 ぜひ、覚えておいてください。

■ 安静
 症状
■頭を打った、吐き気がする。
■動悸、息切れがある。
■めまいがする。
 ポイント
 早く誰かに受傷を伝え、適切な処置をとる。
 最低3日ぐらいは、様子をみる。
 病院に行く。
■安静
 運悪く頭部に衝撃を受けた場合、時間がたってから、症状が出る事例がありました。
 
 症状に
平衡感覚障害や視覚障害、吐き気等がある場合は、直ぐに近くの人に症状を伝え、
 動けない時は、早くパトロール室に連絡するか、動ければ足を運んでください。
 
 時間がたってから食事中に、症状が出た事例がありますので、頭部を打ったら必ず、誰かに
 
「頭部に衝撃」があった事を伝え、安静を心がけてください。

 症状は脳に衝撃を受けた場所によって、違いますから迷わず、誰かに伝える様にしましょう。
 もしもの事があります。 何時もと違う!。 と感じたら病院に行く事です。

 悲しい話ですが、自宅に帰ってから症状が悪化したケースもあり、
「頭部衝撃」を軽視しない事
 です。「大丈夫だから。」と言ってしまいがちですが、頭部の怪我は慎重に対処してください。



■ 氷冷
 症状
■骨折
■捻挫
■腫れ、裂傷
■打撲
 ポイント
 冷やす方法は、氷や雪をナイロン袋に入れて、その上からタオルを巻いた物を患部に当てるのが良いでしょう。シップは気休めです。目安は1日〜2日ぐらい。
患部の熱が取れたらOKです。
■氷冷
 
パトロール室では手当てした怪我の多くが、その後アイシングを必要としています。

 受傷者の多くが、アイシングが必要な状態なのです。
パトロール室では、固定や止血などの
 応急処置を行ない、自宅に帰ってもらいます。

 しかし、その後の処置が間違っている事が多く、回復を遅らせてしまってます。

 受傷の多くは、内出血を伴って起きています。お客さんに「帰りはどうするの?」と聞くと、
 後で 「温泉に行きまーす」なんて答えが返ってきます。

  とんでも無い!!
 
 
受傷直後に体を温めると血圧が上がり、内出血がひどくなり回復を、遅らせてしまいます!

 毛細血管、血管が切れていて、血圧が上がったら・・・。何と無く想像出来ますか?
 
 飲酒なんて持ってのほか!実は私も間違いを犯した事があります。
 右手の中手骨3本 折った直後にビールを飲み、節が無くなる程に、腫れあがってしまいました。
 もちろん、初心者の頃ですが(笑)
 
 まず、怪我をしたら
患部を冷やす事を、覚えていてください。

 これが受傷時の基本です。まれに暖める場合がありますが、スキー場での受傷患部は、
 殆どが「冷やす」です。

 暖めるタイミングは、痛みが無くなって、リハビリを始めてから
が、良いと思います。



■ 圧迫
 症状
■切創
■裂傷
 ポイント
清潔なハンカチなんか、持っていると最高です。
スキーに行く時は、バンダナを持って行きます。
他にも使い方があって、利用頻度は高いですよ。
■圧迫
 お客さんが自分達で、出来る手当ての一つ。(圧迫止血)

 エッジでの受傷、障害物での衝突時があげられます。骨折や打撲を伴って切創傷がある場合
 は、
血液が出ている部分を清潔な布で圧迫し、パトロールの到着を待ちます。 

 昨年あった事例で、遠くからバスで来られた、カップルの話。

 今日は彼とのスノボ!昨日からの降雪でゲレンデは最高のコンディションです。
 二人仲良く、運転開始間も無いペアリフトに乗りこみました。
 ところが初心者の彼女は、降車時に転んでしまいました。こともあろうに彼氏は、彼女の手首を
 ボードで引いてしまったのです。
 
 リフト係からの連絡で急行すると、すでにハンカチで患部を圧迫止血している状態。
 手当てが素早く行なわれた為に、現場での流血は少なかった様子です。

  しかし、傷の深さが思ったよりもひどく、静脈を縫う必要があると判断しました。
 その事を伝えると二人共、すごく残念がって、とても気の毒な思いをした事があります。
 
  さいわい、このケースは
受傷部を圧迫する処置が行なわれた為に、大事にはいたりませんでしたが、首などの動脈を傷つけた際は、パトロールを呼ぶと共に、回りの人に助けを求める事が必要です。
 
 また、その様な事故に遭遇しても、適切な手当てが出来る様に、勉強しておいてくださいね。



■ 高挙
 症状
■出血、切創
■出血、打撲
 ポイント
  圧迫止血との併用
意識が無く、骨折やひどい捻挫がある場合は、圧迫止血で十分。
■高挙
 お客さんが自分達で、出来る手当ての一つ。(高挙)

 
受傷時に圧迫止血のみで、流血が止まらない場合に行ないます。

 殆どゲレンデである怪我は、圧迫止血で止まる事が多いのですが、【圧迫】で紹介した事例で
 静脈を損傷した場合がありましたね。止血スタイルが偶然にも、胸に手首を引き付けて、心臓
 と同じレベルであったのが幸いでした。
 
 流血が見とめられる場合、素早く受傷部を確認して止血を行ない、
患部を心臓より高い位置
 もって行く様な処置を取ってください。

 これは簡単で効果的な方法ですが、怪我の内容によっては、患者を動かしてはいけない場合
 があります。

 本人の意識がシッカリあって、
自分で患部を動かせられる程度なら大丈夫

 意識が無い場合は圧迫止血で十分です。  
 
 簡単で確実な方法ですが、患者の状態によっては手当てに注意が必要です。

ゲレンデに行こう! 日本赤十字社 「とっさの手当・予防」