一般組織の安全衛生管理体制(2)


安全管理者

安全管理者は統括安全衛生管理者を補佐して、事業場の安全に関する事項を実際に管理する人です。
ですから安全に関する専門家ですので、実務経験が必要です。 

室外産業的業種や工業的業種等ですと、労働者数が常時50人以上の場合、従業員の中から安全管理者を選任しなければなりません。

2人以上選任する場合に、従業員の中からの安全管理者の他に、労働安全コンサルタントからも安全管理者を選任することが出来ます。

労働安全コンサルタントとは、安全についての専門家です。
現在、コンサルタントと称する人がたくさんいらっしゃいます。
その労働安全版と考えて下さい。
コンサルタント試験に合格し登録しますと、労働安全コンサルタントになれます。自称コンサルタントではありません。

労働安全コンサルタントは、企業外の専門的な立場から労働安全について診断や指導をし、事業場における自主的安全対策をより効果的に行えるようにします。


労働者数が多くなりますと、仕事の合間に安全管理をさせるのでは十分ではありません。
安全管理を仕事とする人が必要となります。これを専任といいます。


安全管理者の職務は、
作業場を巡視します。そして、設備や作業方法等に危険のおそれのあることを発見したら、すぐにその危険の防止に必要な措置を取ることです。

安全管理者も、労働基準監督署長へ選任した旨、報告しなければなりません。


衛生管理者

衛生管理者は総括安全管理者を補佐し、事業場の衛生に関する事項を実際に管理する人です。

衛生管理者となるためには資格が必要となります。一般には試験を受けます。
ただし試験を受けただけではだめで、勿論合格しなければなりません。

業種を問わず労働者数が常時50人以上の事業所では、衛生管理者を従業員の中から選任しなければなりません。

又、労働者数が増えるに従って衛生管理者の選任数も増加します。

2人以上選任する場合に、従業員の他に労働衛生コンサルタントを選任することも出来ます。

事業場が一定の規模になったり、一定人数以上の労動者が有害業務に従事する事業場では、衛生管理を仕事とする専任の衛生管理者が必要となります。


衛生管理者の重要な職務としては、
すくなくとも毎週1回作業場内を巡視します。そして設備、作業方法または衛生状態に有害の恐れのあるときは、すぐに労働者の健康障害防止のための必要な措置を取ることです。

衛生管理者も、労働基準監督長へ選任した旨、報告しなければなりません。


中小規模事業場の安全衛生管理体制

労働災害は中小規模事業場の方が、大規模事業場より格段に高く発生しています。

労働災害による死傷者数は、50人未満の事業場で約7割となっています。

労働者1〜9人規模    30.3%     (平成13年)
労働者10〜29人規模  28.4%
労働者30〜49人規模  13.3%


そこで常時使用する労働者数が10人以上50人未満の事業場における安全衛生水準を向上させるため安全衛生推進者、衛生推進者を選任します。


安全衛生推進者・衛生推進者 

室外産業的業種や工業的業種等で安全管理者を選任する業種の事業場では、安全衛生推進者を選任しなければなりません。

事業場の規模が小さいので一人で安全と衛生のどちらも受け持ちます。

非工業的業種で労働者数が10人以上50人未満の場合は衛生推進者を選任しなければなりません。

選任したら関係労働者に周知させなければなりません。

資格はその事業の従業員であり、必要な経験や能力を有する者です。
労働安全コンサルタント、労働衛生コンサルタントから選任しても良いこととなっています。

労働基準監督署長へ選任の報告は必要ありません。


産業医

労働者の健康管理や健康障害の防止のためには、専門的な医学の知識を有する人が必要です。

常時50人以上の労働者を使用する事業場では、産業医を選任しなければなりません。

産業医の特に重要な職務は、
少なくとも毎月1回作業上を巡視し、作業方法や衛生状態に有害のおそれのあるときは、直ちに労働者の健康障害を防止するために必要な措置を講ずることです。

では、みなさんの職場(労働者が50人以上の場合)で、お医者さんを見かけますか?
見かけるとしたら病院に勤務している人くらいなものでしょう。

産業医は従業員の中から選任しなければならないわけではありません。
ですから、いま労働安全衛生法を勉強していますが、みなさんに白衣を着てもらって、職場内で従業員の健康管理をしてもらうわけではないのです。

まぁ、白衣を着るのが趣味だという方は職場内で着ていても良いのかもしれませんが、それは労働安全衛生法とは関係ありません。
それに社員食堂で働いている人と勘違いされても、私は知りません。

一般にお医者さんと契約し、その事業場の産業医となってもらいます。

産業医も労働基準監督署長への選任報告義務があります。


作業主任者

高圧室内作業やボイラ−の取り扱い作業等の特に危険または有害な業務で政令で定めるものについては、その作業に関する専門的な知識が必要です。

このような業務を行う場合は、作業主任者を選任しなければなりません。

作業主任者は、労働者の指揮など作業主任者として定められてる職務を行います。

この職務の内容は、
設備や安全措置の点検、作業方法の決定、作業者の指揮、保護具の使用状況の監視等です。

作業主任者となるためには、都道府県労働局長の免許を受けるか、技能講習を修了しなければなりません。

作業主任者を選任したときは、その氏名および行わせる事項を作業場の見易い箇所に提示する等して関係労働者に知らせなければなりません。

労働基準監督長への選任報告は必要ありません。


安全委員会および衛生委員会

労働災害を防止するためには、その事業場で働く労働者の意見を反映させることが重要です。

安全や衛生に関する事項について労使で話し合うことにより、労働者の
労働災害防止の関心を高めることもできます。


安全委員会 

室外産業的業種では50人以上、工業的業種等では100人以上の労働者を使用する事業場では安全委員会を設けなければなりません。

安全委員会は、総括安全衛生管理者や安全管理者等が委員となります。

議長には総括安全衛生管理者、または事業場を統括管理する者から指名します。

議長以外の委員の指名については、その半数を労働者側の意向によって行わなければなりません。

委員会は毎月1回以上開催し議事録は3年間保存しなければなりません。


衛生委員会

あらゆる業種で常時50人以上の労働者を使用する事業場は、衛生委員会を設けなければなりません。
委員会は、総括安全衛生管理者、衛生管理者、産業医等が委員となります。

議長以外の委員の指名につては、その半数を労働者側の意向によって行わなければなりません。

委員会は毎月1回以上開催し、議事録は3年間保存しなければなりません。


安全委員会と衛生委員会をあわせて安全衛生委員会としてもかまいません。


産業医(第13条)、作業主任者(第14条)、安全委員会(第17条)、
衛生委員会(第18条)を読んでみましょう。



安全管理者(第11条)、衛生管理者(第12条)と安全衛生推進者、衛生推進者(第12条の2),産業医(第13条)、作業主任者(第14条)、安全委員会(第17条)、衛生委員会(第18条)を読んでみましょう。


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