労働条件の決定


労働条件は労働者と使用者が対等の立場で決定すべきものとされています。

労働者 「社長。給料上げてくれ。」

いくら対等といいましても、こんな風にはまいりません。
また、これで給料を上げてくれる会社を私は一社も知りません。

労働者は使用者に対して基本的には弱い立場です。

労働協約

労働者が労働組合を作って、使用者と労働条件について交渉するというのはどうでしょう。
数多い労働者の中には法律に詳しい人、交渉の上手な人、人は良いけど顔が少しコワイ人といろいろおります。
そんな人に代表者になってもらって使用者と交渉すると、個人で交渉するよりずっと有利な条件を引き出せそうです。

労働組合は以前、
日本の労働者は欧米と比較して労働時間が長い。
もっと休みを増やすべきだ。と、使用者と交渉し労働時間の短縮に多大なる貢献をいたしました。

労働組合は現在、
雇用の維持を最大の目標として使用者と交渉しています。
クビになって、毎日が休みばかりとならないように、雇用の維持、並びにその確保のために活動しているのは、みなさんご存じの通りです。

労働組合と使用者が労働条件について協定をし、書面を作成し、両当事者が署名捺印したものを労働協約といいます。

今年の労働組合の推定組織率は19.6パーセントとなっております。
つまり労働者の5人に1人が、労働組合の組合員となります。
1950年頃の組織率は50パーセント以上あったわけですから、いかに組織率が落ちているかが分かります。

今後の方向としては、現在の大企業中心の労働組合からパートさんや中小企業の労働者、失業者なども参加できる組織にしていくようです。


就業規則

使用者が従業員の就業上尊守すべき服務規律や労働条件について定めた規則類を就業規則といいます。

社員の守るべきルールを定めた、会社の組織運営の中心となる規則です。

これは使用者が一方的に作成します。
みなさんは使用者が労働条件を決めるのだから、きっとその労働条件は最低のものだろうと思われるかもしれません。
確かに安くて良いものを求めるのは、経営者とて同じ事です。
ただ安くて良いものを求める場所が、みなさんは特価品売り場であり経営者は会社であることの違いだけです。

でも優秀な社員を雇おうとしますとどうでしょう。
悪い条件では来てくれません。

昔のエライ人は言いました。
「水は高いところから低いところへ流れる。
人は低いところから高いところへ流れる」と。
(注)この場合労働条件をさす。

会社が一方的に労働条件を決めるとしましても、自ずとそこにはある程度の下限があることとなります。

労働基準法では就業規則についての規定があります。
後程また出てきますので、就業規則の名前だけは覚えておいてください。

労働契約

労働者が使用者に対し、給料をもらって労務を提供する契約です。

労働者が使用者と直接交渉するわけですが、特別な人を除きますと良い労働条件で契約するのは難しいのが実態です。

私でも、みなさんが優れた才能を持っているのは分かります。
大盛りのラーメンを食べた後でもケーキだったら食べられるとか、
満員電車でも必ず座れるとか。

でも、これでは高い給料は望めません。

社労士の資格を取ったらどうでしょう。
これだったら高い給料が期待できそうです。


労働協約も就業規則も労働契約も法令に反してはなりません。

労働基準法は労働条件の最低基準ですから、それ以下の労働条件を決めても無効となります。これは前々回で学びました。

この3つの関係ですが、有利な条件を得やすい労働協約が一番優先され、次に事業所の全労働者に適用される就業規則となり最後が労働契約となります。


労働条件の決定(第二条)を読んでみましょう。



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