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緊急レポート「フリーター」
−社会教育に求められる「職業観」の育成−
INDEX (平成16年5月作成) HOME
  1. 若者に蔓延するフリーター現象
  2. 動き始めた「職業観」の育成
  3. 参考サイト

 以前、テレビのNHK特集「フリーター417万人の衝撃」の中で示された数字を見て、考えさせられた。若者の中にフリーター志向が広がりつつあることは、知っていたがこれほどまでとは・・・。こうした状況を背景に、学校においても職業観の育成に動き出してきた。
 社会教育においても、青少年の職業観の育成は、これから喫緊に取り組むべき大きな課題と言える。

1.若者に蔓延するフリーター現象

  (1) フリーターとは

 平成15年版 国民生活白書では、フリーターを、15〜34歳の若年(ただし、学生と主婦を除く)のうち、パート・アルバイト(派遣等を含む)及び働く意志のある無職の人と定義している(下図)。
 学業や育児などの傍ら、自ら選んでパート・アルバイト、派遣労働等に就く場合が多い「学生のアルバイト」や「主婦のパート」と区別するため「学生」、「主婦」を除く。
 

【フリーターの定義】


▼フリーターの語源▼
 
求人雑誌『フロム・エー』が17年前、自由を楽しみながら経済的に自立しようとするアルバイトの若者を、フリーターと呼んだのがはじまり。

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  (2) フリーターと正社員をくらべてみれば

 UFJ総研の試算によれば、2001年にその数は417万人、平成16年春には推定430万人を超え、2010年には団塊の世代並みの476万人に達する。若年労働人口の5人に1人がフリーターになる。増え続けているのは、新卒者の内定率が平成16年春の見込み(平成15年12月段階)で、高卒61%、短大卒50%、大卒74%と依然低いから・・・

フリーター人口の長期予測とその経済的影響の試算
1990年代半ば以降、就職難と若者の意識の変化を背景にフリーターが急増している。今や若者の5人に1人がフリーターとも言われ、平均的には所得の低いフリーターの増加が社会全体に及ぼす影響は無視できないものになってきている。
フリーターの賃金、納める税金、消費額、年金を正社員と比較して、フリーター自身が被っている不利益と、フリーターが正社員になれないことにより生じている社会全体の経済的損失を試算してみた。

正社員 フリーター
【平均年収】 387万円 106万円
【生涯賃金】 2億1500万円 5200万円
【住民税】 64,600円 11,800円
【所得税】 134,700円 12,400円
【消費税】 135,000円 49,000円
【消費額】 282.9万円 103.9万円
【年金受取額】 (月額)146,000円 (月額)66,000円
【経済的損失】 税収:1.2兆円減少、消費額:8.8兆円減少、貯蓄:3.5兆円減少

このうちGDPに直接影響を及ぼすのは消費である。フリーターが正社員として働けるなら可能であった消費を諦めることにより、名目GDPが潜在的に1.7%pt下押しされている。
フリーターは一度なるとその状態が長期化しやすいこと、高い離職率と新規学卒就職率の低迷により新規発生が続くと予想されることを背景に、フリーターの数はしばらく増加が続きそうである。2020年までのフリーター人口を予測してみると、需給ギャップが縮小に向かうため失業者は徐々に減少してくるが、正社員以外の雇用が一段と拡大してくるため、フリーター人口は2010年に476万人とピークを付ける。その後は、経済成長の持続、若年人口の減少などにより労働需給の逼迫が予想され、フリーター人口は2020年には444万人に落ち着いてくる。しかし、正社員以外の雇用は拡大基調が続くため引き続き高水準で推移し、若年人口に占めるフリーター比率は2020年には30.6%に上昇する見込みである。

http://www.ufji.co.jp/cgi-bin/link?/publication/report/2003/03116.html

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  (3) なぜ、これほどまでにフリーターが増えたのか

 いったんこのフリーターという境遇に落ちると希望してもなかなか定職に就くことができない。現在フリーターになった人の54%が新卒時に定職に就けなかった人たちであると言われている。

 これほどまでにフリーターが増えた原因として、以下の点が挙げられている。

  1. 10年以上続いた不況。企業は新卒社員の採用を年々減らしてきた。
  2. 企業競争のグローバル化。企業は労働賃金の最も安いところでものを作り、最も高額でさらに大量に売れるところで売る。たとえばアメリカの企業や自治体がインドの安い労働市場に事務職をアウトソースして、アメリカ人ホワイトカラーの職がどんどん減っている。日本では、そのインドの安い労働市場に当たるものが中国の労働市場、および国内のフリーター市場といえる

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2.動き始めた「職業観」の育成

  (1) 若年者の就業支援  〜ジョブカフェ〜

 経済産業省は平成16年4月20日、若者の雇用確保のため、仕事の適性診断から研修、職業紹介まで一貫して手助けする若者支援センター「ジョブカフェ」を設置する地域として、北海道、群馬県、京都府など15道府県を選定。厚生労働省、道府県、地元の産業界、教育界と連携し、地域の実情に合った若者の能力向上、就業促進を図ることを目的とする。
 10%を超え、社会問題化している若年層(15−24歳)の高失業率を改善し、雇用拡大で経済成長力を高める狙いがある。「ジョブカフェ」は従来の公共職業安定所(ハローワーク)とは違って、就職相談や情報提供、職業紹介に加え、能力開発の教育訓練、企業実習など雇用関連の総合サービスを1カ所で受けられるのが特徴。各道府県が7月までに順次設置する。
 【参考】「若年者のためのワンストップサービスセンター(通称ジョブカフェ)」事業 モデル地域の選定について

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  (2) とっとり若者仕事ぷらざ

 平成16年4月22日、鳥取市扇町の鳥取フコク生命駅前ビル1階に県内初の若者向けハローワークを併設する「とっとり若者仕事ぷらざ」がオープン。
 ハローワークの情報検索端末機やパソコンを配備。大学生やフリーターら、30歳未満の若者を対象にした「ヤングハローワークとっとり」を併設し、財団法人「ふるさと鳥取県定住機構」や鳥取商工会議所などの相談員13人が常駐している。3月末現在、今春卒業した県内の大学、短大生の就職内定率は90.6%(昨年同期88.8%)で、695人の就職が決まっていない。また入社後3年間の離職率は、大卒で40.6%(全国平均36.5%)、高卒は49.9%(50.3%)。

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  (3) 高校生が空き店舗で店開店 〜神奈川県〜

 県立小田原城東高校を中心とした高校生が商店経営に挑戦する「チャレンジショップ」が平成16年4月29日、小田原駅東口の商店街にオープン。空き店舗を有効活用して中心市街地に活力を呼び込むとともに、専門高校の高校生の実地就業体験を支援し、次代を担う商業者を育成するのが狙い。高校生によるチャレンジショップは県内初で、通年営業は全国的にも珍しい取り組み。
 この事業は、小田原市栄町の小田原銀座商店会や自治会の協力で実現。市が店舗の年間賃借料100万円を全額補助し、県教委も「特色ある高校づくり」として30万円を助成。また、顧客情報や輸送中の温度管理のノウハウについても、民間企業が支援することになった。
 チャレンジショップの店舗は約40平方メートル。商業系の高校生徒らが、自ら商品開発した犬の洋服やアクセサリーをはじめ、地元の高校や全国の農業、水産高校などとも連携し、実習で製造したアイスやジャム、水産加工品、農産物などの商品を並べる。
 店番や商品の発注から帳簿管理などの運営は、開業当初、城東高校の「課題研究」を選択した3年生21人と、1・2年生も加わった店舗経営同好会のメンバーが交代で担当。月曜定休で、営業時間は平日が午後3時―同6時、土日・祝日が午前10時―午後6時。学校行事で臨時休業する場合もある。年間の売り上げ目標は250万円。 

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  (4) 商店街に地元商業高の女子生徒が出店  〜静岡県〜

 静岡県富士市の吉原商店街に、地元の市立吉原商業高校(同市比奈)の女子生徒たちが常設のチャレンジショップ「吉商本舗」を出店する。「駄菓子屋喫茶」風の店にする予定で、生徒たちは、商店街有志らでつくるまちづくりNPO「東海道・吉原宿」の支援を受けながら、平成16年7月オープンを目指して準備中。
 店は駄菓子などを扱い、テーブルとカウンターで飲食もできる喫茶店風。地域の人が委託販売などに利用できるスペースも設ける予定で、「お年寄りから子供たちまで愛されるお店」を目指す。
 チャレンジショップは、同校職員の提案をきっかけに今年1月に具体化。運営母体として新たに「商業ビジネス部」をつくり、現在の2年生4人が集まった。さらに、構想に賛同した富士市が推進費として予算200万円を計上したほか、NPOが営業ノウハウをアドバイスするという協力体制も確保。出店場所は、吉原商店街内の約45平方メートルの空き店舗に決まった。
 「駄菓子喫茶」のアイデアは、3月中旬に開いたコンペで、市や商工会議所職員らを前に部員とNPOメンバーが発表し、好評だった事業案を基に決めた。4月には、商売の流れを実践で学ぶため、市内のイベントに模擬店を出し、卸問屋などから仕入れた駄菓子セットや綿菓子などを販売した。「将来的には株式会社になるくらい発展してほしい」と期待を寄せる。

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  (5) 高知商をモデル校に高知市が高校生の就業体験  〜高知県〜

 高校生の厳しい就職状況を受けて、高知市は県内で初めて高校生を対象にしたインターンシップ事業に取り組むことを決めた。県では就職後1年以内の離職率が3割を超えており、早期離職対策が狙い。市産業振興総務課は「興味がある職種の仕事内容を具体的に知り、職業選択の参考にしてもらえれば」としている。
 高知労働局によると、今年3月末時点の県内の高卒者の就職率は、全国平均の92・1%を大幅に下回る79・1%で、沖縄県に次いで全国ワースト2。2002年3月に卒業、就職した高校生の1年以内の離職率は30・1%で、全国平均を5ポイント近く上回っている。
 早期離職対策では、こうち求職活動支援室が昨年、社会で頑張っている高卒就職者の仕事に対する思いなどをまとめたビデオやCD―ROMを制作、県内の全高校に配布するなど、各機関が取り組んでいる。
 市は「思っていた仕事と違う」という就職後の戸惑いを軽減しようとインターンシップ事業の導入を決めた。平成16年度は高知商業高校をモデル校とし、来年度以降は今年度の結果を踏まえ検討する。
 事前に生徒らは、オリエンテーションであいさつの仕方を学んだり、適性検査を受け、さらに6〜7月に事前研修の後、夏休みを利用してホテルや鉄道会社などで3日間のインターンシップを体験。9月から11月に体験報告などを行う。

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  (6) 職場体験普及へ経済団体、学校、県など連携  〜山梨県〜

 山梨県教委高校教育課は、生徒が体験入社した企業で職業観を養う「インターンシップ」を広めるため、連絡協議会を設立。
 県内でインターンシップに参加する生徒は1998年に99人(4校)だったが、2003年には761人(18校)に急増。今年度から公立普通科高校も導入する予定で、参加生徒数は1100人にのぼる見込み。協議会はこうした状況を踏まえ、学校側、企業側の意識のズレを調整し、より効果的な実施方法を探ろうと設置。
 甲府市内で開かれた初会合には、商工会連合会、建設業協会などの経済団体や高校校長など31人が出席。企業側からは学校に対し「事前学習をしっかりしてほしい」「夏休みに集中するので、時期をずらす工夫を」などの要望が出されている。

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3.参考サイト

  • 体験活動事例集−豊かな体験活動の推進のために− H14.10 文部科学省初等中等教育局
    職場や就業に関わる体験活動の事例が掲載されている。
     ○「先輩や地域の「プロ」とかかわりながら,人間としての生き方を考える活動」
       (新潟県柏崎市立比角小学校)
     ○「地域に学ぶ「トライやる・ウィーク」」 (兵庫県篠山市立今田中学校)
     ○「「将来を見通した進路学習」としての「事業所体験学習」・「職業別懇談会及び進路講演会」」
       (栃木県立石橋高等学校)
     ○「インターンシップ(就業体験)」 (奈良県立王寺工業高等学校)

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