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障状と原因 簡易調律と補修・その他 主な自作 余談


簡易調律と補修・その他

 部分調律・補修など個人レベルで出来そうな、手じかな道具を想定し、チャレンジしてみたい方を対象に記しております。解り難いところや、そぐわぬ面があるかも知れませんが、ヒントにでもなればと思っています。

必要な道具
1. クロマチックチューナー
経験のある方は、多分持っていられるかと思いますが、メーカーによって色々な機種 があるようです。表示器に、擬似アナログ液晶や LED (発光ダイオード) 段階点滅などありますが、アナログメーターの方が使い易いようです (セ)。
チューニングの時に使います。

2. ヤスリ細め 平形  
良く切れる物。
リードを削る時に使います。

3. 小さめのペンチかプライヤー  
R.ボード取り付けの L ビス回しに使います。

4. 当て板 (アルミ)
ビールのアルミ缶 350ml を大きめのハサミ等で切りますが、ケガをしないように手袋をして、アルミ缶の上下を 2〜3cm 残し、板状に切り取ります。へこみ部分を避け、横幅 6〜10mm、長さ 60mm 程の長方形に取れるだけ切り取っておきます。それぞれ角を少し落とし、ハサミ切り口の周辺を紙ヤスリで、なめらかに磨いておきます。自作アルミ板は、リードを削る時、ボードとリードの間に挟む当て板や調律の時、ダブルリード 一方の音止めに使います。

5. 紙ヤスリ ♯400〜 
リード側面など少し荒れた時、紙ヤスリの断片を指先で押さえて、擦り整えなどに使います。

 以上の道具は、個人レベルを想定したもので、限られたものではありません。


作業例
 ボタンカバーは付けたまま行います。取り付け・取り外しは横向きにして行うようにし、音を出す時は、立てふいご弾きにします。この手順は、BN を横にし、R.C.機構とカバーを蛇腹部に付け、蛇腹側フレームとカバーを両手で押さえて挟むようにして持ち、蛇腹を立てて音を出します。慣れたら、この方法は作業性も良く、押し引きの音を大きく出すことが出来ます。音の強弱による変動箇所やリードの癖など確めて調律することが出来ます。数箇所の応急的簡易調律には充分対応出来ると思いますが、本格的なチューニング (全調律など) は、専用のふいごや特殊小道具を要することになりますのでリードを傷めないように要注意です。

 R.C.機構とカバーを一緒に取り付け・取り外しの要領は、別ページ (経験の浅い方) にも記しております。


調律

 右手低い A音から1オクターブ高い引きの A音に唸り (狂い) が出ていると仮定して進めることにします。R.C.機構とカバーの取り付け・取り外しは、別記参照 (経験の浅い方)。蛇腹部からR.C.機構とカバーを一緒に取り外します。リード2枚同時に発音するどちらか一方のリードを音止めしますが、そのリードの裏面に貼られた逆止弁 (R.ボード表面) を少し開き、チャネルから自作アルミ当て板を差し込み、次に R.C.機構とカバーを一緒にし、蛇腹部に取り付けます。蝶ネジなしで、離れないように押さえ、立て置き姿で蛇腹をふいご弾きして、A音を鳴らします。その時、チューナー指針表示のプラスかマイナスのセント差を確めておきます (標準ピッチも都度確める)。ピッチ差の有無を確認したら、前の要領で、R.C.機構とカバーを一緒に外します。調べたリードに差がなければ、残り一方のリードを前記と同じ要領で調べます。狂いがあれば、その R.ボードを外しますが、納まっていた位置の状況や L ビスの締り具合もチェックしておきます。外したら、平らな面に置き、アルミ当て板をリードと R.ボードの間に敷物を置く要領で、軽く止まる所まで差し込みます。チューナーの表示がプラス側を示していたら、その分の度合いに応じ、根元側をヤスリで削ります。マイナス側を示していたら、リード先端の部分を削ります。ヤスリで削る時は、無理に力を加えず、先端が薄っぺらになったリードは特に削る方向も注意し、控えめにしておきます。汗っぽい手などで直接触れないように気を付けます。尚、押しのリードを直す場合は、アルミ当て板を表面から差し込むように音止めし、その他の工程は同じです。自作アルミ当て板 (厚さ 0.1mm 強) よりは薄い鋼板があれば、よりベターです。当方、ステンレス鋼 (0.1mm) を使用しています。ヤスリで削る時の当て板に、厚手の物をリードの一部分に当て、荒ヤスリなどで削らないようにします。支えの無いリードが浮いた状態で、根っこ側を削ると僅かな沈みによっても弾き込み馴染んだリードが微妙に変化することになります。本場の調律で、リードの先端をヤスリの角で牛の蹄のように削られた物をよく見かけますが、好ましい事ではありません。音合わせの原理は簡単なようですが、道理をわきまえず、何回となく繰り返しているうちに、リードが薄っぺらになったり、平たく言う 腰の強さや反り具合、その腰の移動などでリードの振動も不安定になり、修復不能になることがあります。調律に際しては、慎重に進めて欲しいものです。

  BN は、強弱により僅かに変動する癖を持つリードもあり、許容内として折り合いを付けることもあると思います。又、振動数が安定するまで時間を要することもあります。



補修など

 逆流防止弁 (逆止弁) の硬化などで R.ボードに当たる面が、ざら目や毛玉状になり、不完全密閉で胆詰まり現象が起こることがあります。左側の低い音で、軽く発音した時に顕著に現れ、この場合、交換した方が良いのですが、当座しのぎでしたら、逆止弁を外し、接触面をなめらかに当たる面を均等にし、引き伸ばさないようにして整えます。セパレートやリードに触れないように注意しながら元の位置に貼り付けます。又、弱い発音後、叩く音がすることがあります。逆止弁の硬化や反りなどで、反応の遅れによるもので、手直しの もみで直ることもあります。逆止弁は、一方の不動作リード振動チャネルから空気の流れを止めるための役目をしていますが、反面、動作リードの裏側に付いている逆止弁は、リード振動を阻む方に作用もしています。逆止弁で、振動チャネルをふさぐ力が強い程、空気抵抗が大きくなり、音量にも影響し、又、振動数も下がることになります。硬化した逆止弁で強くふさがっていたり、又、逆止弁の硬化などの反り癖を防ぐため、強いバネで押さえていると裏側のリードに空気抵抗が増し発音に影響を受けます。理想的な逆止弁は、軽い吸い込みでふさがり、開く時は、空気抵抗の小さい程、リード振動に影響も少なくなります。近年、合成樹脂フィルムを使った逆止弁をよく見かけますが、革に比べ、経年変化や耐伸縮性、耐候性に優れています。でも、オールマイティとも言えず、低い音は振幅が大きいので、フィルムを叩く音を出すことがあります。叩音吸収の対応が出来る逆止弁を要しますが、将来、革にとって代わるものと思います。


関連:調律の功罪

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