| 余談 |
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歯切れの良さ、しぼり出すような
ねばりのある甘いねいろの響きに魅せられ、バンドネオンを手にし、弾いて見たいと常々思っていた。願いかなって、やっと手にすることが出来た。ところが、戦後製のバンドネオンで、先細りリードのよく折れる楽器だった。これ以外にも納得出来ない所もあり、自分の持てる力で少しでも良くしたい一念から、リードやそのボードを手加工で作ることにした。当時、工具は、ハンドドリル、糸のこ、ヤスリぐらいのもので、ボードの素材は、ジュラルミンで、それぞれボードの厚さや大きさの寸法で切り出し、リードの振動チャネル
(リード穴) の長方形に実寸線引きをし、リード穴の両端にドリルで小さめの穴を開け、糸のこで線の内を切り落とし、直角・直線を定規に当て、僅かなスリット (隙間)
から透かした光の具合を見ながら、ヤスリで仕上げたものだ。右手側ダブルリードの低い方
R.ボード3枚を作った。もともと全て作る計画を立てていたが、あまりにも困難な手加工の作業に、ギブアップ。リードは、ジャンクの蛇腹楽器の大きめのリードを取り外し、概略の形を作り、ヤスリでエアロスを極力おさえ加工した。リベットは釘を焼き戻して整形し、全て手加工のボードを作るのに数ヶ月かかり、寝食の時を忘れ、寸暇をみて作業に励んだものだ。結果は、音が少し大きくなり、立ち上がりが良くなった感じだっただろうか。今思うと、若いとはいえ、無駄なエネルギーを費やしたものだ。バンドネオン奏者で世に同じような思いで挑戦した人がいたら、そのやり方や苦労の程をお聞きしたいものだ。当時のような若さに戻れるならば、これまでに積み重ね得たものを持って、昔から追い求めた理想のバンドネオンを精魂込めて1台作ってみたいと思う。
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