アルバムレビュー
米米クラブ


「E・B・I・S」 (1986.10.10) ★★★☆
1.ストップ・ショット 2.ミッドナイト・レジスタンス 3.OH! 4.I・KA・SU 5.大人物 6.晴晴新人類 7.トラブル・フィッシュ 8.アジテーション 9.グキ・グキ・ウーマン 10.STAY

  米米というのは本当に多面的なバンドだった。メンバーの多さもそうだし、 全く違うタイプのメイン・ボーカリストを2人擁しているのもそうだし、楽曲自体、例えば「浪漫飛行」「君がいるだけで」のような ポップ極まりないものから濃ゆいファンクにロック、果ては歌謡曲、演歌や一人芝居のようなおフザケ曲までなんでもやってしまうバンドだった。 そのため、米米の多面性を存分に発揮できるのはどうしてもコンサートであり、CDになるとなかなか その魅力を全開にすることは難しかった。事実、石井自身「CDはその時々の単なる記録、コンサートとは別モノ」と語っていたし、 所謂ニューアルバムを核にしたコンサートを演ることも、一度もなかった。

  そんな中でこの2ndアルバムは、そんな米米の多面性をCDの形で刻み付けることに比較的成功している1枚だと思う。 「ミッドナイト・レジスタンス」「トラブル・フィッシュ」はポップな側面がフィーチャーされているし、 J・小野田がボーカルを取る「OH!」「晴晴新人類」「アジテーション」といったファンクナンバーは、 BHBのホーンも存分にフィーチャーされて、ライヴの画が浮かんでくる。 オープニングの「ストップ・ショット」はポップな曲調に忍んで、夜中にAVを見ながら個人作業に耽る 風景を描くというなんともかんともな1曲。 アナログレコードのようなノイズを効果的に使った「I・KA・SU」は石井がとことん悪ノリし、 最後はレコードの音飛びを律義に歌唱で再現(笑)。 ラストのバラード「STAY」は古き良き歌謡曲へのリスペクトを忘れない石井のおミズ系歌唱が絶品。

  これでも決して、米米の全ての魅力が詰まっているとは全く言えないが、 10曲という曲数を考えると非常にバランスが取れているし、米米を知らない人への「顔見せ」としては 十分なアルバムだと思う(でも、なんで「Shake hip!」入ってないのか謎)。音は今聴くとちょっと古臭いけど、いいアルバムです。


「SINGLES」 (1987.6.21) ★★★
1.Shake Hip! 2.Parodies 3.Gradation Glass 4.Venus 5.加油 6.Blue Wave 7.Party Joke

  位置づけとしては非常に中途半端なアルバム。だって「SINGLES」つってもこの時点でシングル4枚しか 出てないし、ここに入ってるのはそのうち2枚の表題曲と「PARADISE」の改作、あとはカップリング曲(デビューシングルの「I・CAN・BE」は入ってない)。 形としては1st・2ndアルバムに入らなかった曲のコンピレーション盤、だろうか。 でもこのアルバムのおかげで「Shake hip!」以外の曲をレコードプレイヤーを持っていなくても聴けるので、 後追いファンにとっては非常にありがたいんだけど。

  ともかく米米の代表曲であろう「Shake hip!」はやっぱり名曲だ。 ポップ性と米米らしいビッグバンドの華やかさ、楽しさが詰まっている。ライヴの画が見事に眼前に立ち上ってくるじゃありませんか。 コアなファン以外には馴染みが薄い、12inchシングルでリリースされた「加油」も同じくライヴ感溢れる一曲。 8分越にわたって、「Hey ガッツ!パワフルに!」とか「つるはし担いで〜 手ぬぐい巻いて〜 軍手をはめて〜」とか 「この Get ガッツな気持ちを」とか意味不明なアジテーションを 繰り返し、安保闘争世代にエールを送るという極めて謎な曲なのだが、聴き心地はなぜかとことんポップなんですわ(笑)。 無意味にバックの演奏がカッコイイのがさらに笑える。米米のコアな部分の1曲に入るでしょう、これは。

  「parodies」はシングル「PARADISE」の歌詞を改作して自らパロディー化するという これまた「らしい」行為。当たり障りないポップスだった原曲を、見事に専業主婦のボヤキというトホホな世界に落とし込んでます(笑)。 歌唱も悪ノリしまくりで、ポップなままのアレンジとメロとの落差が凄いです。 「Venus」はめたくそ爽やかなサマー・ポップスで、こういう曲をシングル切ってたら間違いなく 誤解されてただろうな、という1曲。これだけポップなメロディーを書ける人が 米米みたいなバンドやろうってんだから、ホント奇跡的なバンドでしたな、米米。 かと思えば「Gradation Glass」は思わず腰が砕けそうなムード歌謡だし、 これまた石井のボーカル、ハマりすぎ!寄せ集めの7曲入りながらこの間口の広さ、ほんと凄いです。


「KOMEGUNY」 (1987.10.21) ★★
1.Only As A Friend 2.sure danse 3.浪漫飛行 4.Collection 5.Primitive Love 6.Make Up 7.Misty Night 8.Hollywood Smile 9.Hustle Blood 10.Twilight Heart

  初のLA録音が行われた3rdアルバム。 後年「浪漫飛行」がヒットしたことにより売り上げを伸ばしたアルバムでもあるけれど、 ライヴの米米を知る人にとっては余りにもおすまし顔のポップさに面食らってしまう一枚ではないだろうか。 1曲目の「Only As A Friend」なんかC.C.Bとかカルロストシキ辺り(懐かしい・・・)にあげてしまえ、 って感じの曲だ。 ライヴの定番曲「sure danse」、ポップな曲に忍ばせて猟奇的なアブナイ歌詞を歌う「Collection」や 中華風の味付けが耳を引く「Make Up」、ミュージカル風の「Hollywood Smile」など、 かろうじて「らしさ」を感じさせる曲もあるが、全体的に小奇麗にまとめられたサウンドは どう聴いても「よそゆき」だ。

  J・小野田のボーカル曲も2曲しかないし、そのうちの1曲「Hustle Blood」 は至って普通の歌謡ポップス。米米ならではの濃ゆいファンクナンバーが排除されてしまい、 前作「E・B・I・S」でのライヴ感や多面性はどこぞへ消え失せてしまっている。 もう一つの小野田曲、「Primitive Love」が唯一の救いかも。 雄大っぽいサウンドとメロディー、美しいコーラスワークに乗せて、 小野田氏ならではの大らかな歌い回しでアオカンを歌うという素晴らしい曲です(笑)。 ともかく「浪漫飛行」が入っているからといってこのアルバムから聴くのはお勧めできないなあ。 折角LAまで行ったのだから、音楽的に成熟したものを作ろうとしたのかも、と推測できるけど、 米米らしさが全く殺されてしまっているのが痛い。


「GO FUNK」 (1988.9.21) ★★★★☆
1.INTRODUCTION 2.美熱少年 3.KOME KOME WAR 4.SEXY POWER 5.BEE BE BEAT 6.あ!あぶない! 7.OH!米 GOD! 8.TIME STOP 9,なんですかこれは 10.FRAKIE,GET AWAY! 11.僕らのスーパーヒーロー 12.いつのまにか 13.宴(MOONLIGHT MARCH) 14.I'M A SOUL MAN 15.MY SWEET SWEET SHOW TIME

  萩原健太をプロデューサーに迎えた4thアルバム。 「何で「美熱少年」をアルバムに入れないの?」という萩原氏の一言で吹っ切れた、というこのアルバムは、 米米のライヴ感、ビッグバンドならではの賑やかさと華やかさ、楽曲面での多面性etc…を初めて 1枚のアルバムに詰め込むことに成功した作品になった。 所謂ミュージシャン出のプロデューサーではなく、音楽評論家の荻原氏をプロデューサー、という よりアドバイザーに迎えたことによって、客観的に米米のオイシイところをそのままレコーディング 出来たのではないかと思う。

  J小野田のシャウトが炸裂するライヴ定番のファンクナンバー「美熱少年」 をオープニングに据えた辺りに、このアルバムを制作する際の吹っ切れ具合が表れていると思う。 「Soul Brothers No.1!ジェームス・小野田!エブリバディ、拍手!」なる石井の煽りもライヴでの 小野田登場時そのままだ。続く米米の自己紹介的ナンバー「KOME KOME WAR」も、ビッグバンドの賑やかさ が伝わってくる。全編これ和製英語で遊んだふざけた歌詞だが(笑)、聴き心地は最高にポップな辺り、 米米の真骨頂。これをシングルで切ったのも英断だったし、さらにきっちりヒットしたのも痛快。

  その後も「SEXY POWER」「BEE BE BEAT」「僕らのスーパーヒーロー」「いつのまにか」 といったポップ曲、「あ!あぶない!」「I'M A SOUL MAN」といった小野田によるソウルフルな曲、 石井ならではのムード歌謡バラード「TIME STOP」、ロック調の「FRAKIE,GET AWAY!」、怪曲「なんですか これは」 (いやしかし、この曲の歌詞の乗せ方はちょっと凄いっす)など、 米米の多面性と間口の広さが見事に詰め込まれている。「OH!米 GOD!」「宴」という1分に満たない小品まで、 どの曲も強烈に印象に残るキャラの立った曲ばかり。ラストはアカペラの「MY SWEET SWEET SHOW TIME」 で締め括る憎い演出。米米による架空のショーを見終わったような気分にさせてくれる。

  ライヴとCDを完全にセパレートする考え方によって、どうもCDではヌケの良い作品が 残せなかった米米だが、ライヴをそのままCDに持ち込むという開き直りによってようやく「らしい」アルバムを完成させることが出来た。 初の15曲という曲数も、米米の様々なカラーを表現するにはやはりこれぐらいの曲数は必要になってくると思うので、成功だった。 決して正統派じゃないが、かといって色モノやコミックバンドでもない。 米米が史上に残るエンターテインメント・バンドだったことを証明する傑作、だ。


「51/2」 (1989.11.11) ★★☆
1.BIG WAR 2.Funk-a-ねーちゃん 3.FUNK FUJIYAMA 4.Beautiful 5.Let's Go! 6.マグニチュード 7.Lollipop 8.Javaza Hat 9.Kung-Fu Lady 10.Mellon Tea 11.俺をもとめてる〜Everyone Is Searching For Me 12.Forever 13.SAFACA 14.ア・ゲ・ハ

  前作「GO FUNK」で評論家筋を中心に評価を上げ、 シングル「FUNK FUJIYAMA」のヒットでお茶の間にも浸透、うなぎ上りに人気を上昇させて行く中 リリースされた「5 1/2」枚目のアルバム(「1/2」は「SINGLES」ね)。 しかしそんな状況に反して、またしてもなんともヌケの悪い作品に逆戻りしてしまった感じがする アルバムなのだ。 恐らく、前作「GO FUNK」のライヴ感を踏襲しながらも、より音楽的に洗練 したものを作りたかったのだと推測されるが、それが見事に失敗している(笑)。

  序盤の「Funk-a-ねーちゃん」「FUNK FUJIYAMA」は佳曲だし、シュークリームシュがボーカルを取る 「Lollipop」、石井がハマりすぎのプレスリーのパロディ「Melon Tea」(最高!)などは「らしい」のだが、 全体的に「洗練させよう」という意識が滲み出ている感じがして、窮屈に聞こえる。 ていうか、異様にボーカルのミックスが小さいのはなんでだ? 「演奏を聴いてくれ!」ってことなのか。もちろん演奏は決して下手ではないし、 演奏がしっかりしているからこそどんなことを演ってもサマになったバンドではあったけど、 かと言って演奏を強調して売るようなバンドではなかったと思うんだけど(笑)。 イマイチ影の薄い作品です。あと、中古屋行くとよく並んでるアルバムですな。


「K2C」 (1991.1.25) ★★★★
1.I・CAN・BE 2.Peeping Tom 3.FUNKY STAR 4.En mi corazon 5.Troubled Fish 6.KOME KOME WAR 7.Paradaise 8.Simple Mind 9.sure danse 10.Transfer 11.STAY 12.JUST U [初回限定8cmシングル] 1.Kick Knock 2.2much 2ist 3.Co Conga

cover   これは本来次作「米米クラブ」とワンセットでなければ 語れない作品なんですが。石井いわく「「K2C」は米米の上半身で、「米米クラブ」は下半身」」 「上半身はスーツでキメてるんだけど、下半身は全裸なの」、いや、まさにその通り(笑)。 言い得て妙です。さてその「米米の上半身」たるこのアルバムは、 過去の楽曲やライヴで育ってきた曲を改めて録音し直し、さらに新曲も加えて、「米米ポップの決定盤」を改めて提示したような 内容。J小野田のリードボーカルが1曲もないのは、敢えてそうしたコンセプトを際立たせるためだろう。 結果、単純な「セルフカバーアルバム」ではなく、一枚のポップアルバムとしてきっちり完成されていると思う。

  全体的に大所帯バンドの賑やかさと楽しさが詰まった、弾けたサウンドが印象的で、 どこか窮屈に感じた前作「51/2」が嘘のよう。特に「Peeping Tom」は後に出たベスト盤には収録されなかったものの、 風刺の利いた痛快な歌詞と賑やかな演奏の弾けぶりが最高です。「En mi corazon」「Trouble Fish」 「sure danse」「STAY」といった過去の「隠れた定番曲」も、ホーンやコーラスの導入によって 瑞々しく生まれ変わっている。新曲「Simple Mind」「JUST U」もほろっと切ない良メロが光る佳曲だ。

  「米米ポップスの決定盤を作る」というコンセプトは見事成功していて、 1枚のアルバムとしての完成度も上々だ。しかし米米が本当に恐ろしかったのは、 こんなポップなアルバムと平行してしっかり「下半身」を用意していたことなのだった・・・。


「米米クラブ」 (1991.4.25) ★★★★★
【Disk1】1.愛の歯ブラシセット 2.We are 米米CLUB 3.あたいのレディーキラー 4.東京Bay Side Club 5.東京ドンピカ 6.二人のアンブレラ 7.オイオイオイ マドロスさん 8.I LOVE YOU 9.パリジェンヌ ホレジェンヌ 10.スーダラ節〜赤いシュプール 11.インサートデザート 12.ホテルくちびる 13.AWA 14.私こしひかり 15.ポイのポイのポイ
【Disk2】1.踊れシュークよ!踊り子よ! 2.東京イェイイェイ娘 3.チョビットダンス 4.プラムジュース

  米米のポップな面を見事に凝縮した米米の上半身、「K2C」から3ヶ月という スパンでリリースされた問題の「下半身」。ライヴでしか演らなかった悪ノリ、シュール、おフザケ、 ナンセンス・・・そんな曲をほとんどライヴ音源そのままで収録してしまった問題作。 で、これが5つ星です(笑)。や、これは誰が聴いても満点か0点か、というアルバムだと思います。 米米のアイデンティティはこれだと言ってしまっても過言ではないと思うし、本気で最高傑作だと 思います(笑)。マジで。これを演れてしまうバンドは米米しかいなかったし、今でもそんなバンドは 出て来てない(っていうか、演りたくないか)。ていうかこれ出したの、「浪漫飛行」が大ヒットした次の年 ですからね(笑)。今考えても物凄くアナーキー精神に満ち溢れてます。

  「今から米米を聴いてみたい!」と言う人に、これを聴かせるのはかなりリスキー ですが、逆にこれを楽しめなければ米米を聴く楽しみも半減すると思うので、僕は敢えてこれを 聴かせたい(笑)。実際、今までに何人かの友人に聴かせましたが、概ね好評でした。 なんか、呆気に取られてる奴もいたけど(笑)。米米に興味のある人、曲タイトルを見て「なんだこれは」 と思った人、多くの人に是非!聴いていただきたい。ちなみにCDケースはただの素の透明プラケース、 ジャケットなし、歌詞カードは初回特典のみという素晴らしい形態でリリースされていました(笑)。

→「米米クラブ」全曲レビュー


「Octave」 (1992.6.25) ★★★
1.Tommorow is another day 2.君がいるだけで 3.NICE TO MEET YOU 4.春雷 coup de foudre 5.愛 know マジック 6.ときめき 7.愛はつづいてる 8.恋人たちの想い出 9.O・ME・DE・TORE 10.ラリホー王 11.Eことあるサ 12.心のままに

cover   いやあ、売れたねえ「君がいるだけで」。誰が米米クラブが レコード大賞を取るなんて思っただろうか(笑)。セールス的にもそうだし、同時にメンバーの結婚も 相次いだり、極め付けにシュークリームシュの一員であると同時に石井の妹である美奈子とF金子の メンバー内結婚と、この年はおめでたいこと続きの米米であった。

  そんなめでたさを反映し、このアルバムもズバリ「祝福」というコンセプトの下に 作成された。米米の「毒」の部分はとりあえず置いておいて、 ややもすると内輪受けなほどおめでたいムードに溢れている。 「君がいるだけで」をはじめ「Tommorow is another day」「愛 know マジック」 「ときめき」「愛はつづいてる 」「O・ME・DE・TORE」「Eことあるサ」など弾けるようにポップな 曲が並んでおり、米米史上最もポップで耳馴染みのいい、聴きやすいアルバムになっている。 ラストのバラード「心のままに」では美奈子自身がボーカルを取るというベタぶり。 まさに「祝福」というコンセプトが徹底して貫かれた作品だ。

  しかしこのアルバムの毒気のなさが、米米の作品としては物足りなく 感じたのも事実。「春雷」なんかイージーリスニングみたいなインストで、びっくりしてしまった。 「君がいるだけで」やこのアルバムは、米米にとってはむしろ「異端」だったはずで、 こっちのサイドが売れまくってメインストリームになる(もしくはそれを期待される)ことは 米米にとって決して良いことではなかったと思う。実際、この年のコンサートでは 石井自身「君がいるだけで」をカラオケで歌うなど、自ら「こっちはむしろ異端なんですよ」と アピールしているようだった。しかし残念ながらこの後の米米は、 初期の毒気や「なんでもあり」感が急激に薄れ、なんとなくフットワークが重くなっていった。 そういう意味で、悪いアルバムではないにせよ複雑な気分になってしまう作品だ。


「Phi」 (1993.11.1) ★★☆
1.抱きしめたい 2.DAY DREAM 3.紅い人 4.ときの旅路 5.日常の私 6.愛はふしぎさ 7.AURA! 8.FARAWAY 9.TELEPHONE 10.追いかけて 11.上を向いて唄おう

  特にコンセプトは設定されず、米米のポップな面を てらいなく見せたという感じのアルバム。「抱きしめたい」「ときの旅路」「愛はふしぎさ」 といった良作もあるが、全体的には米米の、というより石井のポップサイドだけが 突出している感じで、米米というバンドのトータルな魅力を詰め込むには至っていない。 特にバラード3連発の「FARAWAY」〜「追いかけて」の流れなどは米米のアルバムでやる必要があったのか?と 思えてしまう。 まあ、これだけ多面的なバンドの魅力を1枚のCDに収めるっていうのはなかなか難儀だし、 それが成功したのは「GO FUNK」と、あと「K2C」「米米CLUB」の変則2枚組だけだと 思うんだけど・・・。やっぱりライヴバンド、というかエンタテインメントバンドだったんだね、今更だけど。 (記・03.9.30)


「Phi II」 (1994.12.10) ★★☆
1.日々米米 2.OH!MY ANGEL 3.ア・ブラ・カダ・ブラ 4.ジャムチ-砂漠の駅- 5.俺色にそまれ 6.日本人 7.SANDBAGなあいつ 8.Child's days memory 9.My Love 10.それぞれの理由 11.SO COOL 12.言の葉

  タイトル通り、前作「Phi」の双子盤。 「Phi」が比較的ポップでおとなしめの曲を集めたとしたら、こちらは長らくライヴの人気曲として親しまれていた「So Cool」「言の葉」 やライヴUFOのテーマ曲「ア・ブラ・カダ・ブラ」を収録するなど、ライヴ感を意識した一枚かも。 しかし、それでもどこかこじんまりとポップにまとめられた曲が多く、例えば「GO FUNK」辺りの破天荒な弾けぶりがイマイチ感じられない。 1曲1曲取ってみると悪くないのだが、どうも流れの中でなんとなく作られたアルバムに感じる。 しかし和の情緒に溢れる「言の葉」は名曲だ。


「DECADE」 (1995.2.20) ★★★★☆
1.愛はふしぎさ 2.君がいるだけで 3.抱きしめたい 4.I・CAN・BE 5.元祖sure danse 6.ひとすじになれない 7.愛してる 8.FUNK FUJIYAMA 9.Shake Hip! 10.浪漫飛行 11.愛 Know マジック 12.TIME STOP 13.今夜はフル回転 14.ごきげんよう PARTY NIGHT!

cover   「浪漫飛行」「君がいるだけで」「FUNK FUJIYAMA」といった ヒットシングル、バンド創成期の佳曲「I・CAN・BE」「Shake Hip!」「元祖sure danse」、 シングルカットされていないながらも人気の高いポップ曲「抱きしめたい」「愛 Know マジック」 「ごきげんよう〜」と、弾けたポップ性が詰まった初の本格的なベスト盤。 もちろん米米の魅力はこのアルバム1枚だけで語れるものでは断じてないが、 決して米米がナンセンスだったりシュールなおフザケ曲だけをウリにしていた色モノバンドでは なく、確固としたポップ性とエンターテイメント精神を根底に持っていたバンドだったことが 証明されているアルバムだと思う。こうしてポップな一面だけ取り上げてみても、単純にいい曲ばかりだもの。

  ベスト盤とはいえ、全曲リマスタリングされていたり、 「sure danse」をリリース前からライヴで披露してたバージョンで再録音したり、 「FUNK FUJIYAMA」の構成をコンパクトに修正(サビが1回削られている)したり、 「浪漫飛行」のイントロにラジオっぽいSEが加えられていたりと 随所にこだわりが。決してヒットしたわけではないけど、非常に石井らしいムーディーなバラード 「TIME STOP」が収録されているのもファンはにやりとしてしまうところ。 ファンにとっても嬉しいアルバムだったし、米米を聴いたことがない人にも、万人に お勧めできるベスト盤。これと91年の「米米クラブ」で存分に米米の表と裏を堪能してください(笑)。


「Sorry Music Entertainment」 (1995.11.23) ★★★
【Disk1】1.I'm Sorry 2.ボッサボサノバ 3.男同士 -POSTホモ伝説- 4.VIVAみたいなもの 5.ワンダブルSUNでぃ 6.サマーラブストーリー 7.0721 8.THE HAIR 9.日本の夏 10.DEEP IN YOUR BODY 11.いただきました 12.虫の息 13.露骨にルンバ 14.ポンコツ君とガラクタ君 15.アンジュール 16.サンサルバドルの雪 17.世界ミュージックアラモード 18.タトゥーレ
【Disk2】1.伴天連の人魚 2.スカンジナビアで逢いませう 3.金・金・金 4.てんぱってんだよ 5.プロは大変だ 6.プヨプヨ 7.鶴のしかえし 8.オーチャンガ 9.パパは893 10.ヤスちゃん 11.でましたプルルンじーさん 12.VIVA PEPE 13.アバンギャルド 14.マンボ踊り 15.DRY MAN 16.MY GIRL 第3章 17.ハードでゆこう 18.芸術家 19.コロンビアのお花畑

  '91年の「米米クラブ」に続く、ナンセンス曲(この頃から「ソーリー系」と自称していた)を集めた、こともあろうに2枚組の 大作(笑)。この頃、米米は初期メンバーのRYO-JとJ得能が脱退して大幅なメンバーチェンジがあった時期であり、そんな時にこんな アルバムをリリースするとは一体どういうことかと思ってしまった(笑)。「米米クラブ」のときは、ポップな「K2C」から間髪入れずに リリースすることで米米の上半身と下半身を見せるというラジカルな精神が感じられたが、これに関してはなんだか場当たり的というか、 ヤケクソな感じがしてしまうなあ。「ワンダブルSUNでぃ」をシングルカットしたっていうのも、迷走ぶりを象徴してるような。

  まあそんなことを抜きにして聴けば、もう頭の中真っ白になること必至の理不尽な世界が展開していて圧巻。 それでも2枚組37曲は多すぎるけど(笑)。「米米クラブ」はファン以外の人にもお勧めできるけど、さすがにこれはお勧めできないっす。 やりすぎ感漂うというか、ちょっと毒性強すぎです(笑)。怖いもの聴きたさで聴いてみたい人はどうぞ。私的イチオシはシュール極まりないド演歌「虫の息」。


「PUSHED RICE」 (1997.3.1) ★★☆
1.SARACENIAN BEAT 2.FOXY-危険な恋 3.Special Love 4.MOMENT 5.せつない気持ち 6.ROPPONGI-雨 7.STELLA 8.GUTS SHAKER 9.HARMONY 10.MONGOLOID 11.RICE DREAMEER 12.ひとりの朝 ふたりの夜 13.Runaway Faraway 14.迷路'97

  米米のラスト・オリジナルアルバム。 最後ということで、ライヴでしか演らなかった曲、ポップな曲、バラード曲、おミズな曲、ライヴっぽい盛り上がり曲、 果てはラストを飾るムード歌謡「迷路'97」(おいおい)まで、たとえ雑多であっても詰め込めるだけ 詰め込んだ感じの全14曲。全くバンドとしての生気を感じられなかった、抜け殻のような作品だった 前作「H2O」に比べると、一変して溌剌さは感じられるアルバムになった。 でも、解散という前提がなければこれが出来なかったというところに 後期の米米のフットワークの重さを感じてしまい、寂しい気もするし、 J小野田のボーカル曲が1曲しかないってのもちょっと、どういうことだ!って感じだ。 米米は、やっぱ巨大なプロジェクトになりすぎちゃったんだね。ラスト「迷路'97」でのおフザケも どっちかっていうと、「ヘンな事をする」っていう義務感がさせたようで笑えないっす。 (記・03.10.1)


その他のアルバム
「シャリ・シャリズム」(1985.7.2)
「聖米夜」(1992.12.10)
「H2O」(1996.3.21)
「HARVEST SINGLES 1985-1992」(1997.3.31)
「HARVEST SINGLES 1992-1997」(1997.6.1)
「THE LAST SYMPOSIUM 〜米米CLUBラスト・ライヴ in 東京ドーム〜」(1997.8.8)



[2] 「米米クラブ」全曲レビュー

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