「女の子の名前」考
中島みゆきの「♪あの娘(こ)」という曲の、微かに記憶に残っているサビの部分。
確か「♪ゆう子、あい子、りょう子、けい子、まち子、かずみ、ひろ子、まゆみ〜♪」
と女の子の名前が立て続けに出てきた後に、
「♪似たような名前はいくらもあるのにワタシじゃダメね〜♪」
と続いて終ったような…。
とにかく、割とよく聞く名前が歌詞の中にたくさん出てきた。
確かに日本人の女の子の名前は、使われている漢字を無視して読みだけで見ると似通った名前が多い気がする。
果たして女の子の名前が男の子に比べてどれも似通っていると感じるのは気のせい?
いや、そうではない。
そのことを確率論(?)の上から検証してみたい。
女の子の名前を音節単位表記法としての仮名文字に直して考えると、そのほとんどが3文字(3音節)までの長さであることに気付く。
例えば「りょうこ」や「じゅんこ」は仮名文字自体の数は四つだが音が三つなので3文字扱いとする。
また「あい」「ゆい」「ゆき」「ちえ」など2文字のパターンも少なくない。
でも4文字以上となると…。
皆さんは日本の女性で4文字(4音節)以上の名前を持つ人をご存知だろうか。
有名人の中には女性でも「さくらこ」「かつらこ」「かおるこ」など4文字の名前があるにはある。
しかし女友達の中で4文字の名前と言えば、僕は今までに一人しか知らない。
(本人の許可をもらっていないのでここで紹介はしないが★)
ましてそれ以上の字数となるとまだ一度も聞いたことがない。
家の仏壇にある過去帳(亡くなった先祖の命日を書き留めたもの)を見てみると、母の故郷、奄美大島の遠い親戚の中には「クママツ」とか「ウシガメ」「ブンヅル」といった名前のおばあちゃんたちがいたことが分かる。
(もちろん姓ではなく名前…)
当時の島ではそれが普通の名前だったのかもしれないが、今、女の子にこんな名前を付ける親はまずいない。
さて、男の子の名前はどうか?
最近は男の子でも「じゅん」「しょう」「けん」「れい」「りょう」など短い名前が増えてきた。
しかし3文字(3音節)以上の名前も決して少なくはない。
かっちゃんの本名「かつのり」は文字四つ、「けんたろう」は五つ、「りゅうざぶろう」「しんいちろう」に至っては音で六つもある。
どれも決して特別珍しい名前というわけではない。
こうして見ると男性の名前は女性に比べて字数の幅が広く、逆に女性の名前は男性に比べて相対的に字数が短いという状況が見えてくる。
ここで「字数が短い」とはどういうことか考えてみたい。
仮に今、日本語のひらがなの数を50と考えて、ひらがな2文字の組み合わせで出来る言葉の数を求めてみると…。(濁点などはこの際、無視)
50×50=2500
さらに3文字だとその50倍だから…。
2500×50=125000
つまり単純に考えると2文字の名前は2500種類、3文字なら12万5千種類あり、女の子の名前のほとんどがこの中のどれかに当てはまるということになる。
では男性に多い4文字以上のパターンだと、どれほどバリエーションが増えるのか?
☆4文字…
125000×50=6250000
☆5文字…
6250000×50=312500000
4文字の組み合わせで625万、5文字に至ってはもう3億を超えてしまう。
たった1文字の違いでこれだけの差が出るのだ。
そしてさらにこの差を広げる要素がいくつかある。
今はじきだした組み合わせ全てが「人の名前」として使えるワケではなく、むしろ男女とも名前として使えるのはその中のごく一部だけ。
特に三文字の言葉の中には放送禁止用語(?)や下品な表現、およそ名前には似つかわしくない組み合わせも多い。
例えば「ひとみちゃん」はよくいるが「おめめちゃん」や「まぶたちゃん」「まつげちゃん」は聞いたことが無い。
「はなこちゃん」や「はなえちゃん」はいても「はなわちゃん」「はなげちゃん」は聞かない。
また名前を構成する要素の中にはある程度定着した文字(音)が含まれることがあり、それらが残りのバリエーションをさらに制限する。
男の子なら例えば
「○○お」「○○た」「○○じ」「○○ろう」「○○すけ」etc...
女の子では
「○○こ」「○○み」「○○か」「○○え」「○○よ」etc...
そしてこういった制限は元々バリエーションの少ない3文字以下の組み合わせに対してより大きく影響する。
名前のバリエーションに男女の差を生んでいる要因が確実に存在することがわかる。
字数に相対的な差がある限り、よりバリエーションの少ない方が似通ってしまうのはほぼ必然…。
以上が大雑把ではあるが「女の子には似通った名前が多い」ことを真であるとする僕の考察だ。
ところでなぜ日本の女の子の名前は字数(=発音上の音数)が短いのか?
外国の女の子の名前を日本語の発音で考えてみると、例えば
「マーガレット」や「クリスティーナ」は6文字(音)となる。めっちゃ長い…。
しかし英語の発音で音節数をカウントしてみると、どちらも3音で済むのだ。
男性名「マイケル」にしても日本語の感覚では4文字(音)だが、英語読みだとたったの2音…。
諸外国では音節を形作る母音と子音の絡まり方が日本語とは全く違う。
そのため書き文字の上で少々長い言葉であっても、発音上、日本語ほど「言葉の長さ」をはっきり意識させない。
逆に日本語の場合、基本的に「ん」で表される発音以外の全ての音には必ず母音が含まれ、それぞれが独立したひとつの音節となる。
文字(音)の一つひとつがしっかり発音されるため、一文字の違いでも発音上の長さの違いにはっきり表れる。
つまり日本語は語感上の長さをはっきり意識させる言語なのだ。
ここで、生まれた女の子に名前を付ける時、親なら誰もが考える要素として「可愛らしさ」というのが影響してくる。当然「長い」「短い」や「大きい」「小さい」がハッキリする世界で「可愛らしさ」を基準に選ぶなら、「短くて小さいもの」を誰もが選ぶ。
これらが男性に比べて女性の名前を短いものにしてしまっている最大の理由だと思う。
しかし発音上つまり仮名書きの上ではいくら似た名前が多いと言っても、使われる「漢字」の組み合わせを考えると話は変わってくる。
男性の場合、発音上3〜4音でも漢字にすると二文字までで収まるパターンが多いのに対し、女性では発音上は3音でもその音の一つひとつに漢字を当てる…つまり三種類の漢字を使うパターンが少なくない。
例えば「かつのり」は漢字にすると「勝智」と二文字になるのに、「あきこ」「みゆき」は「亜季子」「美由紀」で文字数が逆転してしまう。
「音」で考えた時の理屈同様、数の多いほうが確率論的な組み合せも多くなるから、「音」ではなく「使われる漢字」によるバリエーションだけで計算した場合、女性の名前の方がパターンが多くなることも考えられる。
もちろん聴感上、女性の名前がよく似ているという事象についてはさっき述べたとおり論証できると思うが、漢字を含む文字表記上の違いを考えると結局は男女とも名前に対する“個性”のバランスは取れているのかも知れない。
ところで日本人の名前の数ってどれくらいあるのだろう…。
そういうこと調べた人って、いるのかな?
☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆
ふうーっ、お疲れ様でした。(;^_^A
今回もくだらない話に付き合っていただいてアリガトゴザイマス…。
ナンダカンダと小理屈を展開してますが、実を言うと自分自身でも論旨がズレてたり言ってることに無理や矛盾がたくさんあるんですわ、ハッハッハッハッ…。ま、深く考えないで下さい。
大体、なんでこんなこと考えてみたかっていうとね、あるメル友の女の子が「自分の名前が平凡すぎてキライ…」ってなことを言い出したからなのよ。
結構そういう女性、多いみたいですね。
でも名前は親からの最初の贈り物…皆さん、大切にしましょ!!