宇宙、星…2


宇宙が好き!!というお話の第二弾。
星の引力が届かない宇宙空間でコマを回すとどうなるか?
「だれがそんなアホなことすんねんっ!!」というお話はこの際ナシにして…。
子供の頃「超電磁マシーン・ボルテスX」は空を飛びながら「超電磁ゴマ」で敵をやっつけたもん。
もとい…。
コマを投げるタイミングと巻き紐を引くタイミングのバランスが悪いと、コマは宇宙の彼方に飛んでいったり、反対に自分の顔面を直撃したりするが、タイミングや力のバランスが上手くいくとコマは宇宙空間でフワフワと回り続ける。
いや、“フワフワと”ではなく一ヵ所でずっと回り続ける。ずっと、じっと回り続ける…回り続ける…回り続ける…。
…で、いつまで回り続けるねん?

地球上ではどんなに上手い曲芸師が回しても、例えば一週間も回り続けるコマはない。
なら、宇宙空間では?
《答》:誰も邪魔するものがなければ百万年、いや永遠にでも回り続ける。
たいていの方は「そんなん分かってるわ」とおっしゃると思うが、中には「そんなアホな…」と言う方もおられるかもしれない。でも「地球はもう何十億年も止まらずに回り続けてるじゃん!!」と言えば納得していただけるかな。

そう、この宇宙でいろんな星々がそれぞれのペースで回り続けて(=自転して)いることは誰も不思議に思わない。ごく自然な現象だ。
太陽も地球も月もコマのようにひたすら回り続けている。
宇宙空間を大きな時間単位で見た時、星々は常に激しい爆発や衝突に見舞われ、ダイナミックにその姿を変え続けている。そして衝撃で飛び散る様々なガスや塵が大きな流れを作り、より大きな星の引力の影響を受けてその周りを回転し始める。
そんなガスや塵の中からまた新しい星が誕生していく。揺りかごとなったガスや塵の流れ、回転の力をそのまま受け継いで…。
だから宇宙では自転していない星のほうがはるかに珍しい。

地球が一日周期で自転しているのは言うまでもないこと。正確には0.9973日(23時間56分4秒)だそうな。
ちなみに月は27.3217日、水星は58.65日、金星は243.02日、火星は1.0260日で1回転してるとか。
ちゅーことは月の一日は地球時間で約一ヵ月、金星なんて地球時間で243日かけてやっと一日、昼間だけで地球の100日以上続くわけ…!?
地球に生まれてよかったね。(^^;
太陽系の主、太陽もやっぱり自転している。約25日周期らしい。しかし他の星のように硬い地面を持たずドロドロした液体に近い天体なので、お腹のあたり(=赤道付近)はしっかり回転しているがその上下(=極付近)はお腹に引っ張られてイヤイヤ回ってる感じ(?)らしく、太陽全体として正確に「何日で一回転…」とは言えないそうだ。

ところで、ただ「星が回っている」という話だけなら面白くもなんともない。
ここからがワクワクするお話…。宇宙にはとんでもないスピードで回転している天体がある。
パルサー(=中性子星)と呼ばれる星だ。
僕が初めてパルサーのことを本で読んだのはいつのことだったろうか。まだ十代初めの頃だったと思う。
それまでにも驚異的な宇宙の姿には何度となく驚かされ、その度に想像力をパワーアップさせてきたつもりだった。しかしこのパルサーについて初めて知った時は、にわかには信じられない思いだった。
宇宙の始まりとされる「ビッグバン」説を聞いたとき以来の衝撃と言ってもよかった。
パルサーについては今でも解明されていない部分が多いらしい。
なにせその存在が正確に確認されたのも僕が生まれてからのことなのだとか。

ここで「パルサーとか中性子星って一体、何やねん?」という話になるので、改めて調べてみた。
エンカルタ百科事典(ネット上の百科事典)の説明をつなぎ合わせると「中性子星は太陽の8倍以上もの質量を持つ星が進化の末に超新星爆発を起こし、外層が吹き飛ばされた後、中心に残った高密度な天体…」ということらしい。
砕いて言うと「太陽よりはるかに大きかった星が、成長し、パァーッと一花咲かせ(?)、やがて年老いてしぼみ、余計なゼイ肉をすべて落として(?)隠居状態になったもの…」という感じかな。
(砕いただけで解説になってない!?)
しかし隠居状態と言っても、とんでもない姿でとんでもない活動をしているから驚きなのだ。

まず、その「重さ」がスゴイ。めっちゃ高密度。それもハンパじゃない。
大きさはたいていが直径10〜20km、大阪〜京都間の距離もない。なのに質量は太陽の2〜3倍もある。
例えば、ある中性子星は密度が鉄の約100兆倍もあったりする…とか言ってもピンとこないっしょ?
別の説明によると「ボールペンのボールほどの大きさでも、その質量は9万1000t以上…」っていう状態。
ボールペンのボールなんて蟻ンコより小さいもの。それでも、それを何気なく手で受け取った瞬間、手のひらを貫通して地面にドスンッ!!。そのまま地中深く地球の中心まで食い込んでしまうほどの重さってワケ。
そもそもがブラックホールになり損ねたほどの星の晩年の姿だというから、重いのは当たり前だが…。

でも僕が本当に驚いたのは重さではなくその活動、つまり最初に言った「自転の速度」だ。
今、地球が約24時間で一回転、太陽系で一番速い木星が約9.9時間で一回転している。
だったら、果たしてこのパルサーは一回転するのに何時間?
直径10〜20kmと小さいので、例えば「3時間で一回転」とか「30分で…」ぐらいなら、まあ、納得もできる。
しかしそんな生易しい回りかたではなかった。
なんと、一秒間に1回〜数百回転というのだ…。ホント、にわかには信じられなかった。
それこそ本物のコマの回転速度と変わらないではないか。直径20kmので〜っかいコマだ。こんな星に住んでたら目が回って大変だわさ。「誰がそんなに勢いをつけたの?」と誰もが思うはず…。
でもエンカルタ事典の説明にあった“バレリーナの譬え話”を読んで、このとんでもない自転現象のカラクリが解けた。

某車買取会社ユー○スの「♪ウッタッタ〜、ウッタッタ〜、クルクルクルマをウッタッタ〜…♪」というテレビCMは皆さんもご存知のはず。歌に合わせてバレリーナが見事なスピンを披露してくれるあのCMだ。
この時、バレリーナは両手を左右に広げたままスピンを始めるが、徐々にひじを曲げ胸元に腕を引き付けていき…同時にスピンの速度も見る見る速くなっていく…。パルサーの回転速度の秘密もこれだったのだ。

もともと太陽の数倍もの図体でゆっくり自転していた星が自分自身の重みに耐えられなくなり、つぶれてどんどん小さくなる。そして最後は直径10km程度にまで凝縮される。その間に回転速度がどんどんアップするワケだ。
難しい説明では「角運動量の保存」とか言うらしいが、僕にはそういう理屈は分からない。
しかしバレリーナの話を通してなんとなく感覚的にはスピードアップの仕組みが理解できた。

このパルサー、持っている磁場もハンパじゃなく、極付近では地球の1兆倍の強さだとか。そして超高速回転しながら指向性の強い電波ビームを、まるで灯台のように宇宙空間に放っている。そのビームが地球からの観測では脈拍(pulse=パルス)のように捉えられてこの名に…。
なんと不思議な、そして謎に満ちた星なのだろう。こんな天体が自然に生まれるなんて、すごいよね。

話は変わるが、エンカルタ事典でパルサーを調べていた時、寄り道して「新星と超新星」という項でこんな説明を見つけた。
「新星と超新星…『もっとも壮観な変光星は、新星である。新星は太陽の明るさの20万倍まで明るくなる。そして太陽の1万分の1ないし10万分の1に相当する質量を、秒速960kmにおよぶ速度でふきとばす。一部の新星はこの過程を周期的にくりかえしている。一方、超新星は、名前は似ているがはるかに破壊的な現象であり、星の本格的な爆発であってくりかえすことはない。超新星はときには数日のうちに太陽の100億倍まで明るくなり…』」

太陽の100億倍の明るさと言えば銀河の明るさにも匹敵するらしい。
20万倍とか100億倍、秒速960kmなんていう表現を読んだだけで、もう血が騒いでワクワクする。
こんなん、僕だけかなぁ…?それでもいいや(^-^)b。

さっき出てきた「ビッグバン」…今この宇宙にある太陽も地球も月も、そして遠くの銀河や星々も、全てひっくるめて最初は“一つの点”に凝縮されていた。そしてある時、この“点”が大爆発(=ビッグバン)を起こし、そこから今の宇宙が始まった…というこの説も、非日常・非現実的な、それでいて多くの科学者が支持する壮大なファンタジーだ。何度聞いても興奮が止まらない。
もちろん実際にその爆発を見た人はいない。あくまで推論でのこと。しかし宇宙誕生のシナリオとして最も有力な説とされる。
一度でいいからその瞬間をこの目で見てみたいと思ったりするが、実際のビッグバンを見るなど絶対に叶わない夢。もしできたとしても、それはアリンコがすぐ目の前で世界中の全ての核爆弾の爆発を一斉に見るようなもの…見た瞬間に自分自身も蒸発してしまう。それでもその推論が描くスケールに圧倒され、魅せられ、惹きつけられてしまう人は少なくないはず。今の人類の力ではまだシミュレーションすらままならないが…。
人間の力なんて大宇宙の中では0(ゼロ)に近い。


ところでここ十数年の間に、今まで学校で習ったことがすべてひっくり返るくらいの大発見が天文学の世界でいくつかあったと聞く。
ビッグバン以降、風船のように膨らみ続ける宇宙は、天体同士の引力によって徐々に膨らみが止まり、ある時点を境にやがて収縮へ向かい、最後はまた“一つの点”に戻る…というのが今までの定説だった。
しかし最近の計算では、宇宙はもう広がりすぎて天体間引力が働かず収縮には向かわないという説がでてきた。
これは今までの「宇宙はビッグバンを挟んで膨張と収縮、始まりと帰結を繰り返し、永遠に続いていく」という考え方を根底から覆し、「今の宇宙は一回ポッキリで終わる…」という結果を嫌でも導く説だ。

…となると「じゃあ今の宇宙はどうして始まったの?この後、もう宇宙は生まれないの?」という自然な疑問が湧く。
しかし最近の研究で、これまたとんでもない事実が解ってきた。
僕たちは中学以降の授業で「○○保存の法則」というのを幾つも学んでいる。
「質量保存の法則」「エネルギー保存の法則」…他にもいろいろ。
これらの法則はすべて「この世の全ての物質やエネルギーは、その形が変わることはあっても総量は変わらない。」という揺るぎない掟を教えているもの。つまり「もともと何もないところにポコッと物質が生まれたりすることは絶対に在り得ない」ということだ。しかし…。
最新の科学では、計算上何もないはずの宇宙空間領域に「ポコッ」と物質が生まれることが確認されたとか。
だからといって決して今まで信じてきた「○○保存の法則」の類が即、法則でなくなったり、意味を成さなくなるという単純な話ではないが、何もない空間自体が物質を生み出すという現象は全ての学者にとって大きな衝撃だったに違いない。
なぜなら、やがて広がりきって何もなくなってゆく宇宙空間に、突然ポコッと、別の宇宙が生まれる可能性があるからだ。
このシリーズの前の章でも述べたが、何もないところから新しいものが生まれる営みなどはもう、まさに生命の姿そのものと言っていい…。


最後は少しマニアックな話に入ってしまったが、これ以上の細かい理屈になると僕の手には負えなくなる。
でも、いつかまた、この続き話のできる日が来ることを期待したい。
宇宙ではこれからも度肝を抜くような発見がきっとあるはず。宇宙はまだまだ無限の相を見せてくれる永遠のフロンティアだ。

 
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