25日。読売新聞(オンライン)によると、紛争後の復興支援協力に関して、経済同友会が日本型
「民軍協力(Civil Military Cooperation : CIMIC)」の枠組みを構築することを提言した。これに関する産経新聞(オンライン)の記事によれば、経済同友会の「イラク問題研究会」がまとめた意見書は、自衛隊の警護の下で民間が復興支援事業を行うことが可能となるように、自衛隊の平和維持活動に関する恒久法を制定するべきだとしている。
9月20日分の日記で「『人間の安全保障』対応部隊」がNATO内に創設されるかもしれないと書いたが、同時にそれはアメリカ統合特殊作戦軍にある「民事および心理作戦部隊」を移植するだけになるやろうとも書いた。そして経済同友会が提唱している日本型「民軍協力」体制もまた、「日本型」と銘打っていはいるものの、結局は
低強度紛争戦略下における「軍による民生活動(Military Civic Action)」をコピーするだけなんやろうと思う。
1981年に刊行された低強度紛争戦略の教範
FM100-20 Low Intensity Conflict には具体的な戦略概念として「国内防衛(Internal Defense)」、「国内発展(Internal Development)」、「国内防衛および発展(Internal Defense and Development)」、そして「外国国内防衛(Foreign Internal Defense)」を挙げている。そしてこの中の「国内発展」の定義をみれば、アメリカ軍が紛争と発展の関係をどのように考えているか分かる。
国内発展 社会の要求を満たす−政治的、軍事的、経済的、そして社会的な−実行力のある制度を整備することで自国の成長を促すことを目的とした、国家による一連の行動である。慎重に立案かつ実行され更に十分に宣伝されるならば、国内発展計画は一般大衆の利益に供し、反乱勢力に付け入られる隙を消し去ることができる。
この定義文と同じようなことを、経済同友会も考えているようだ。産経新聞の記事では「自民党閣僚経験者」という人物が、「同友会が、自衛隊による民間警護も含むCIMICを提言したのは、テロが多発する国・地域でこそ、復興開発支援が必要な現状を考えると『一刻も早く検討すべき課題』」であるとしている。しかしながら何度も書いてきたように、その「復興開発支援」なるものが基礎を置いているリベラル・デモクラシーこそが「テロ」を生み出しているんであって、なおかつ「一刻も早く検討すべき課題」であるのは経済同友会、つまり日本企業にとってのこと。
紛争そのもの、そして紛争後の荒廃した状況も彼らにとっては「大事な市場」。だいたい経済同友会という団体がこのような提言をすることからして、経済的利益をメインに考えているということやし。そして大事なことは、そのような経済システムの中に自分自身もどっぷりと浸かっているということ。日本の景気が良くなるんであれば、海外の「紛争」に積極的に関与して、彼の地での復興開発事業を受注するようにすればええがなって考える人が多くなるように思う。人はそれを「現実的思考」と言うのかも知れんが、
自分が今食べているご飯が、他の人がご飯を食べられなくなることによって得られているのかもしれないと思えば、安易にこの提言を支持することはできんと思う。
経済同友会が戦闘終了後の「日本型民軍協力」を提唱
「同友会が、自衛隊による民間警護も含むCIMICを提言したのは、テロが多発する国・地域でこそ、復興開発支援が必要な現状を考えると『一刻も早く検討すべき課題』」
26日。月末恒例の『朝まで生テレビ』。いつものように山本一太が発言すると眠たくなるんやが、今回は司会の田原総一郎の発言に一番突っ込みたかったな。北朝鮮問題に関して、彼は「北朝鮮は日本と国交回復をしたがっている」という趣旨の発言をしとったけども、それはどうかなぁ。例えば幕末の日本が黒船を見た時、「是非ともアメリカと国交を結びたい」って思ったやろか。「何じゃそれ」と思われるかも知れんが、今の北朝鮮は幕末の日本と同じような状況やないかなと思う。日本に「開国」して欲しかったのが中国大陸進出の足がかりを得ようとしていたアメリカであったのと同じように、北朝鮮と国交を結んで欲しいのは日本の方やろう。
つまり、国交正常化に関する主導権は北朝鮮にある。「日本と国交を結ばなくてもええで。だって中国やロシアや韓国がいくらでも支援してくれるんやから」って言われたらどないするんやろう。山本一太が「経済制裁は政治的に重大なメッセージとなる」って言うとったけども、そんなもん全然ならんて。経済制裁を発動することによって日本が買わなくなる北朝鮮の物品は、恐らく中国と韓国が買うやろう。
日本一国で北朝鮮に圧力をかけることが出来るなんて幻想に近い。
北朝鮮問題において能動的に振舞いたいんであれば、やっぱり中国を通さんと難しいと思う。例えば何かと批判の対象となっている中国に対するODA。これを拉致被害者の救出のために使えんもんやろかなと思う。確かに中国へのODA拠出が中国の利益となるばかりで、逆に日本国民にとって不利益となっている場合が多い。自国民を路上生活に追いやっておきながら、その救済に当てるべき資金を中国へと拠出しとるんやからな。偶然にも26日にあった参議院本会議において、町村外務大臣は「中国の経済発展が進む中、減少させていく。近い将来、中国がODAの卒業生になることが適当だ」と述べたように、今後も同じような意見が強くなるかもしれない。
日本の利益にならんから廃止するというのはちょっと単純すぎへんかなと僕は考える。例えばODAの拠出額を減少させていくことを基本としながらも、拉致被害者の救出に中国の協力が得られるのであれば減額措置を保留するとか、あるいは逆にその名目で別に資金を拠出する用意があると言えばええんとちゃうやろか。北朝鮮の事実上の宗主国である中国の圧力がなければ、北朝鮮の姿勢を変えさせることはできんやろうし、拉致被害者の救出に中国が協力したという既成事実ができれば、それは中国にとっても国際的な地位向上にもなるやろう。素人考えなんやけどもねぇ...もっとも、そうした政治的駆け引きなしで、本当に人道的な観点から問題が解決されるのが一番やがな。
「中国の経済発展が進む中、減少させていく。近い将来、中国がODAの卒業生になることが適当だ」
そして今日。ウクライナ大統領選挙が大混乱しとるな。アメリカが「選挙に不正があったかもしれない」と言うとるんは軽い笑い話のようやが、毎日新聞(オンライン)の記事を読めば、
コーカサス地方におけるアメリカとロシアの地政学的争いがウクライナにも及んできたと考えるべきやと思う。ロシアはシベリアで産出される天然ガスを、ウクライナを経由するパイプライン網を通じてヨーロッパに供給している。それゆえロシアにとってウクライナは、地政学的に非常に重要な国となる。
ところで、カスピ海沿岸で産出される石油もウクライナを経由するパイプラインを通じてヨーロッパに供給されている。今年初めには、ウクライナとポーランドとの間でパイプラインを建設することが合意された。この石油供給ルートは、アゼルバイジャンのバクー油田で産出される石油を、グルジアのスプサ ― 黒海(タンカー輸送)― ウクライナのオデッサ ― ポーランドのプロクへと結ぶもの。つまり、ロシアを経由せずに石油をヨーロッパへと供給するということで、以前書いたBTCルート(アゼルバイジャンのバクー ― グルジアのトビリシ ― トルコのジェイハン)と同じように、アメリカの影響力が非常に強いルートである。
一昨日の毎日新聞(オンライン)のウクライナ大統領選挙に関する記事には、懐かしい名前が登場している。それはワレサ。そう、ポーランドの前大統領で、「連帯」運動の指導者であったワレサ。そのワレサ氏が、野党候補であるユシチェンコ氏の要請を受けて首都キエフを訪れ、「ウクライナ当局側と協議し解決の道を探りたい」として事態の収拾を約束したという。彼が中心的役割を果たした「連帯」運動をアメリカのCIAが支持していたというのは周知の事実。それにレーガン政権期の「プロジェクト・デモクラシー」はポーランドで積極的に展開された。ポーランドはイラクに部隊を派遣しているが、アメリカとの密接な関係は1980年代から始まっていた。つまり、
ワレサ氏は実質的にアメリカの使者と考えるべき。そやから当分は混乱状態が続くやろうと思う。そしてその結果如何によって、チェチェン紛争やグルジアの政治状況も、重要な転換点を迎えることになるかもしれない。
「(野党陣営への)外国からの支援はすぐに消えるだろう。ガス供給が止まれば、西欧の家庭は凍え、工場は休業状態となるからだ」
「ウクライナ当局側と協議し解決の道を探りたい」