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こぐれ行政書士・税理士会計事務所では、医師・歯科医師・動物病院等クリニックの日常の財務経理業務、税務申告業務、融資節税等の業務を効率的、かつリーズナブルにサポートしていますのでお気軽にご相談ください。
ここでは、新規開業されるドクターに必要となる基本的な経理・税務知識を紹介しています。
■保健医療収入の会計処理
1.窓口収入
診療報酬の額は「診療報酬点数表」に基づき、1点=10円で計算されます。医療機関は計算された診療報酬の一部を患者から自己負担として徴収します。これを窓口収入といいます。窓口収入には、この保険診療報酬窓口負担分の他に保険外の収入もあります。受付においては、レジの番号で、社保診療収入、国保診療収入、自由診療収入、その他収入などに収入を区分しておき、1日が終了したらレジペーパーと現金残高を突合します。そしてレジペーパーの収入区分に応じて、窓口収入の月間集計表を作成します。
2.保険請求収入
保険診療報酬の代金のうち、患者の自己負担以外の部分は、レセプト請求により社会保険支払報酬基金(社保)や国民健康保険連合会(国保)へ請求します。
例えば、4月分については、5月10日までに、レセプト(診療報酬請求明細書)を集計して提出しなければなりません。そしてその入金は、社保については6月20日前後、国保については各都道府県によって多少異なりますが、6月25日頃です。
【仕訳例】
4/30 医業未収金 ××× / 保険請求収入 ×××
6/20 普通預金 ××× / 医業未収金 ×××
仮払源泉税 ××× /
6/25 普通預金 ××× / 医業未収金 ×××
仮払源泉税とは、社保診療報酬の入金に当たって、個人開業医について源泉所得税(所得税の前払い)を天引き徴収することになっているため、その処理科目です。この金額は(診療報酬額−200,000円)×10%で計算されます。
■ 収入金額と必要経費
1. 所得金額の計算方法
所得税法は収入金額−必要経費=所得の金額であり、また、収入を得る形態により10種類に所得が分類されます。なお、所得の計算期間は、1月1日から12月31日までの1年間(暦年単位)に生じた所得税の課税基準となる所得の金額すべてについて計算します。ただし、納税義務者が年の中途で死亡、又は出国するといった場合には、その年の1月1日からその死亡の日又は出国のときまでの期間内に生じたすべての所得について計算します。
なお、事業所得の収入金額については、その年分の事業所得の金額の計算上、総収入金額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、その年において収入とすべき金額とします。
2. 医療業における収入金額
収入金額については、窓口一部負担金の値引きを禁じておりますので、保険点数×10円=窓口一部負担金+社会保険診療報酬支払基金の振込額+国民健康保険連合会の振込額、という算式が成立しなくてはなりません。
3. 医療業における必要経費
必要経費については、収入を得るために必要な経費、すなわちその年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入すべき金額は、別段の定めのあるものを除き、事業所得の総収入金額に係る売上原価その他当該収入金額を得るために直接要した費用の額、及びその年における販売費、一般管理費その他事業所得を生ずべき業務について生じた費用の額となります。
また家事関連費では、家事上の経費に関連する経費のうち主たる部分を明らかに区分することができる場合における当該部分に相当する経費、及び青色申告者の場合には取引の記録等に基づいて事業所得を生ずべき業務の遂行上直接必要であったことが明らかにされる部分に相当する経費が必要経費に算入され、これら以外の経費は必要経費に算入されません。したがって、家事関連費が必要経費に算入されるためには、業務と何らかの関連があるというだけではなく、業務の必要性及びその必要部分が客観的に明らかで、更に、当該費用が業務の遂行上、直接かつ通常必要でなければならないものとなります。
■ 開業準備のための支出
1. 開業費
開業費とは、事業を開始するまでの間に開業の準備のために支出する費用のことです。開業地調査費用(旅費、ガソリン代、通信費など)、業者との打ち合わせ費用、関係先への手土産代、工事期間中の諸経費、開業に関する書籍購入費用、開業セミナー等への参加費用、開業までの借入金に係る利子、開業広告費用などが挙げられます。
2. 繰延資産の償却費の計算
繰延資産(開業費)の償却費の計算は、60ヶ月の均等償却又は任意償却のいずれかの方法によります。
任意償却は、繰延資産の額の範囲内の金額を償却費として認めるもので、その下限は設けられていません。したがって、支出の年に全額償却してもよく、全く償却しなくてもかまいません。また、繰延資産の未償却残高はいつでも償却費として必要経費に算入することができます。
なお、支出した開業費の内容及びその開業費の額が、過年度において必要経費に算入されていないことを明らかにしておく必要があります。
3. 留意点
開業以前は会計帳簿がありません。よって、開業までに支出した金額が経費と認められるためには、支出した内容を別途記録しておく必要があります。領収書を保存し、支出日、相手先、支出目的が分かるように整理しておく必要があります。
■開業医が親族に支払う給与
1. 青色申告者の専従者給与
青色申告者の場合には、一定の要件の下に、実際に支払った給与の額を必要経費とする「青色事業専従者給与の特例」の適用があります。
青色事業専従者給与として認められるのは、次のすべてをクリアした場合です。
@ 青色事業専従者に支払われた給与であること
青色事業専従者とは、次の要件のすべてを満たす人をいいます。
(イ) 青色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること
(ロ) その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること
(ハ) その年を通じて6月を超える期間(一定の場合には事業に従事することができる期間の2分の1を超える期間)、その青色申告者の営む事業に専ら従事していること
A 「青色事業専従者給与に関する届出書」を所轄の税務署長に提出していること
この届出書には、青色事業専従者の氏名、職務の内容、給与の金額、支給期などを記載することになっています。
提出期限は、青色事業専従者給与を支払う年の3月15日(その年の1月16日以後、新たに事業を開始した場合や新たに専従者がいることとなった場合には、その開始した日や専従者がいることとなった日から2ヶ月以内)までです。
B 届出書に記載されている方法により支払われ、かつ、その記載されている金額の範囲内で支払われたものであること
C 青色事業専従者給与は、労務の対価として相当であると認められる金額であること
過大とされる部分は、必要経費とは認められません。
2. 白色申告者の専従者給与
白色申告者の場合には、事業に専ら従事する家族従業員の数、配偶者かその他の親族かの別、所得に応じて計算される金額を必要経費とする「事業専従者控除の特例」の適用があります。
事業専従者控除額は、次の2つの金額のどちらか低い金額です。
@ 事業専従者が事業主の配偶者であれば86万円、配偶者でなければ専従者一人につき50万円
A この控除をする前の事業の所得税額を、専従者の数に1を足した数で割った金額
白色事業専従者控除を受けるための要件は、次のとおりです。
@ 白色申告者の営む事業に事業専従者がいること
事業専従者とは、次の要件のいずれにも該当する人をいいます。
(イ) 白色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること
(ロ) その年の12月31日現在で、年齢が15歳以上であること
(ハ) その年を通じて6月を超える期間、その白色申告者の営む事業に専ら従事していること
A 確定申告書にこの控除を受ける旨、その金額など必要な事項を記載すること
3. 留意点
青色申告書の事業専従者として給与の支払いを受ける人、又は、白色申告者の事業専従者である人は、控除対象配偶者や扶養親族にはなれませんので注意が必要です。
■ 医療機関だけに認められる減価償却
1. 医療用機器等の特別償却
青色申告者である医療保険業を営むものが、次に掲げる医療用機器等(新品に限る)を取得した場合には、通常の償却費の他に、それぞれに掲げる金額に相当する償却費を、その用に供した年において必要経費に算入することができます。
なお、償却不足がある場合には、1年間の繰越ができます。
@ 1台又は1基の取得価額が500万円以上のもの
特別償却額=取得価額の100分の14
A 救急医療用機器
特別償却額=取得価額の100分の20
救急医療用機器とは、救急医療の提供体制が整備されている病院において設置される1台又は1基の取得価額が2,700万円以上の救急医療用機器で次のものをいいます。
・ 超音波診断装置
・ 超音波式経頭蓋血流測定装置
・ 生体情報モニター
B 医療の安全確保に資する機器として一定のもの
特別償却額=取得価額の100分の20
ex)
・ 人工呼吸器
・ 自動錠剤分包機
・ 医療情報読取照合装置
2. 特定医療用建物の割増償却
青色申告者である医療保険業を営む者が、特定医療用建物を取得又は建設した場合には、その用に供した日以後5年以内でその用に供している期間に限り、各年分の普通償却費とその100分の8相当額との合計額を必要経費に算入することができます。
3. 建替え病院等建物に係る特別償却
青色申告者である医療保険業を営む者が、建替え病院等建物を建設し、その用に供した場合には、普通償却費の他に、その用に供した年において基準取得価額(取得価額の50%相当額)の100分の15相当額を必要経費に算入することができます。
建替え病院等建物とは、平成13年の第4次医療法改正で改正された施設基準を満たす建物に建て替えた病院又は診療所用のものをいいます。
■ 概算経費による医業所得の特例(措法第26条)
1. 措置法第26条社会保険診療報酬の所得計算による措置法差額の計算
社会保険診療報酬に係る診療報酬は、実際の必要経費によらず、租税特別措置法第26条の規定により計算した金額を必要経費とすることができます(社会保険診療報酬が5,000万円を超える場合は、この方法は選択できません)。
この方法によって計算した必要経費全額と実際の経費との差額(措置法差額)がある場合は、実際の所得金額から控除することになります。
2. 社会保険診療報酬に係る経費の計算
@ 社会保険診療報酬の金額が2,500万円以下の場合
概算経費=社会保険診療報酬の金額×72%
A 社会保険診療報酬の金額が2,500万円超3,000万円以下の場合
概算経費=社会保険診療報酬の金額×70%+50万円
B 社会保険診療報酬の金額が3,000万円超4,000万円以下の場合
概算経費=社会保険診療報酬の金額×62%+290万円
C 社会保険診療報酬の金額が4,000万円超5,000万円以下の場合
概算経費=社会保険診療報酬の金額×57%+490万円
3. 青色申告特別控除
青色申告特別控除は、青色申告書を提出することにつき、税務署長の承認を受けている個人のその承認を受けている年分の不動産所得の金額、事業所得の金額から、次に掲げる金額のうちいずれか低い金額を控除した金額とします。
@ 青色申告特別控除(10万円、65万円)
A 不動産所得の金額、事業所得の金額の合計額
B ただし、租税特別措置法第26条を適用した場合には、青色申告特別控除額の計算の基礎となる事業所得の金額には、社会保険診療につき支払いを受けるべき金額に対応する金額は含まれませんので、次の算式を用いて、青色申告特別控除額の計算を行ってください。
青色申告特別控除の計算の基礎となる事業所得の金額=措置法差額控除後の事業所得の金額−(社会保険診療報酬−租税特別措置法第26条の規定による必要経費の金額)
■ 措置法第26条を適用した場合の青色専従者給与の取扱い
措置法第26条は、帳簿により計算された所得金額によることなく、定められた概算経費率による所得金額の計算を認める規定(ただし、社会保険診療報酬に係る所得のみに適用される)です。この規定は、青色申告者だけでなく白色申告者にも適用があります。
一方、支給された青色事業専従者給与(ただし適正額)は、支給した青色事業者の所得金額の計算上必要経費に算入し、かつ、その青色事業専従者の当該年分の給与所得に係る収入金額となります。
また、白色申告者の場合は、実際に給与を支給した、しないに関係なく、同条の適用を受ける旨を申告において明示した場合には、事業専従者控除額を必要経費とみなします。この場合には、当該控除額をその事業専従者の給与所得に係る収入金額とみなします。
なお、同条の適用を受けた場合には、給与を支給した青色事業専従者や、控除の適用を受けた事業専従者は、配偶者控除や扶養控除の対象にはなりません。
労働の対価として親族に支給した給与について、青色事業専従者給与として必要経費に算入しなかった又は白色申告者が事業専従者控除を適用しなかった場合は、給与の額が提供した労務に対して相当な額である限り、その給与はその支給を受けた者の労働の対価であり、贈与により取得したものとはならないが、給与所得として課税されます。
また、青色事業専従者給与として認められるものについて、たとえ必要経費に計上するのをやめたとしても、青色事業専従者給与を支給した以上、事業専従者の給与所得に係る収入金額となり、たとえ妻の給与所得が31万円であっても配偶者控除は受けられません。
■ 医業に特有の確定申告における留意事項
@ 保険収入については毎月の決定通知書で確認します。
個人開業医の場合は、社会保険診療報酬支払基金から一年間の源泉徴収票が発行された場合には、申告書に添付する必要があります。
また、源泉徴収税額の会計処理額が一致しているか突合します。
この源泉徴収票には、生活保護法に基づく医療収入金額も入っていますが、票下段の内訳には健康保険法など医療保険制度に基づく医療収入に係る点数及び金額しか記載されていません。したがって、措置法第26条適用の場合に添付する付表の社会保険収入の点数記載欄に、生活保護法適用による保険点数が漏れてしまうことがありますので注意が必要です。
A 自賠責などの収入については、医療機関で請求一覧表或いは未収入金台帳などを作成しているはずですから、期末未収金に計上漏れはないかチェックします。なお、これらの管理表が作成されていない場合は、作成するように指導します。
B 医薬品の棚卸については、消費税相当額が含まれているかチェックします。
C 医師会から入金される委託料収入について、事業収入に該当するものと、給与所得に該当するものと、所得区分が正しく処理されているかチェックします。
D 給与所得の源泉徴収票(学校医、産業医など)に漏れはないかチェックします。
E 還付加算金、原稿料収入などの申告漏れはないかチェックします。
F 小規模企業共済掛金の証明書は添付されているかチェックします。
G 個人開業医における事業主と職員の支払社会保険料について、事業主本人分は所得控除、職員に係る保険料分は法定福利費に区分されているかチェックします。
H 医師会に支払った会費のうち、福祉共済負担金や政治連盟会費を経費に算入してはいないかチェックします。
I 医師年金保険料を所得控除額(社会保険料控除)に入れてはいないかチェックします。
平成20年12月現在
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