重陽
五節句(人日・上巳・端午・七夕・重陽)に因んだ
人形などをご紹介していきます。
平成十八年の旧暦九月九日は十月三十日です。
重陽は近年においては九月がまだまだ残暑厳しく
その上、菊の開花にも露が降りるにも間があって
「六日の菖蒲、十日の菊」にその名残を留めるものの
余り馴染のないお節句になりました。
万葉集に
「たそかれと 吾をな問ひそ
長月の露にぬれつつ 君待つ吾を」
とあります。
明治六年の旧暦廃止は 仕方のない事とは言え
月次の風情を混乱させる様です。
重陽の行事の一つである「菊の着せ綿」について
紫式部日記にその有様が偲ばれる記述があります。
九日、菊の綿を、兵部のおもとの持て来て
「これ、殿のうへの、とりわきて。
いとよう老ごひ捨てたまへとのたまはせつる」
とあれば
菊の露わかゆばかりに袖ふれて
花のあるじに千代はゆづらむとて
かへしたてまつらむとするほどに
「あなたに帰りわたらせたまひぬ」
とあれば、ようなさにとどめつ。
丸平文庫で主催致しました市松人形展に因み
菊尽の市松さんをお目にかけます。
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