キャデラック・カウボーイ(1988年・アメリカ・102分)
(監督) ブレイク・エドワーズ
(脚本) ブレイク・エドワーズ
(出演) ジェームズ・ガーナー、ブルース・ウィリス、マリエル・ヘミングウェイ、マルコム・マクダウェル
(内容)  草創期ハリウッド。西部劇の人気スター、トム・ミックスが伝説の保安官ワイアット・アープを演じることになり、アープ本人がハリウッドに招かれることになった。しかし、謎の連続殺人事件が起こり、彼らも次第に巻き込まれていく…。
(総評)  1920年代のハリウッドを舞台に、ハリウッドスターと本物のワイアット・アープが連続殺人事件の謎に迫る、ウエスタン・アクション。ワイアット・アープを演じるのは名優ジェームズ・ガーナー。彼の味のある演技は本作品でも十分発揮されており、ブルース・ウィリスと共にいいコンビを組んでいます。題材自体は面白いのに、ゴールデン・ラズベリー賞で最低監督賞を受賞してしまいました。
 いいキャスティングを揃えているのに、残念ながら話が面白くありません。正確に言うと、面白くないことはないのですが、もっと痛快劇を期待していたのです。駄作ではありませんが、凡作といわざるを得ません。初めから最後までステレオタイプな物語の運びで、興味を惹かれるシーンがあまりないのです。主演の二人が撃つピストルは百発百中なのに、ワルが放つピストルは、二人が地面に棒立ちしているにもかかわらず一発も彼らに当たらないという、あまりにもお粗末なお約束がまかり通っています。ワイアット・アープはともかく、ブルース・ウィリス演じるトムは、あくまでハリウッドスターという設定なのだから、ワイアット・アープと互角に渡り合うほどの銃の腕前があるのは不自然極まりない。ま、そこが痛快なんだといわれれば、そうかもしれませんが。
 ラストに近づくにつれて、適役の人間は都合よくバタバタと銃弾に倒れていきます。ラストはいかにも“映画のラスト”みたいに、海岸際で最後の死闘。トムがピンチになった瞬間、ワイアット・アープが颯爽と現れ、万事めでたし。こんな中学生レベルのエンディングを本気でやっていては、観客もガッカリすることでしょう。
 でも、アカデミー賞の第1回の授賞式の様子が舞台になったシーンがあり、ここは興味深かったです。第1回の授賞式は今ほど派手には行われず、ホテルで200人ほどの関係者が集まって行われ、たった4分22秒で終わったことは有名な話です。その点を考慮すると、参加人数はほぼ正確ですが、授賞式は長すぎ。もちろん、授賞式の外で発砲があったというのは本作品の脚色ですが、史実を舞台にした以上、そのあたりはある程度正確に描いてほしいです。でも、当時の雰囲気などは伝わりました。
 実は本作品、ラジー賞受賞作ではありますが、アカデミー賞でも衣装デザイン賞にノミネートされました。この映画のウエスタン衣装がノミネート対象なのかもしれませんが、この程度の衣装でアカデミー賞にノミネートされるとは、到底信じられません。しかも、正装しているとき以外のブルース・ウィリスは、いつもなんか変な服(特に花柄の服)を着ていて、趣味が悪いと感じました。
 あと、ヒロインを演じたマリエル・ヘミングウェイが、上沼恵美子に見えて仕方なかったです(笑)。彼女はラジー賞で最低助演女優賞にノミネートされ、受賞を免れました。(D・1524)