日米共同指揮所演習「ヤマサクラ51」反対行動報告
 
 24()から16()にかけて、陸上自衛隊伊丹駐屯地(兵庫県伊丹市緑ヶ丘)を中心に、朝鮮侵略戦争発動を想定した日米共同指揮所演習が行われようとしています。自衛隊3400名と米軍1400名、総計5000名規模が行う大規模演習です。この「ヤマサクラ51」と呼称される演習は、最新のコンピューターシステムを駆使し、コンピューター上で兵士数十万を動かす戦争発動訓練なのです。
 ソ連が崩壊し、冷戦後に北朝鮮という「脅威」が日本政府によって新たに作られました。
2000年に行なわれた「ヤマサクラ37」では、米軍のホームページによると「敵軍は日本海側から艦艇などで接近し、北九州と山口の二ルートで上陸する想定」と掲載されており、北朝鮮または中国が仮想敵国として扱われていることが明らかになっています。04919日付けの「琉球新報」により、陸幕が秘密裏に「北朝鮮テロへの対処計画」を立案していたことが報道されました。その内容は、最大2500人の侵入を想定しており、侵入方法として@工作母船が日本近海まで半潜水艇を運び、特殊部隊が侵入、Aレーダー探知しにくい木製航空機で夜間、低高度でゴルフ場や広場に着陸―の二通りを予想していたことがわかりました。作家・梅田正巳氏は、著書「変貌する自衛隊と日米同盟」(高文研)のなかでこのことに触れ、「半潜水艇」とはどのような兵器なのか、「木製航空機」とはグライダーのようなものなだろうか、しかし、グライダーなら北朝鮮から日本海を越えて自力で飛んでくることはできないと頭を傾げています。
 「防衛白書・平成
18年版」によると、北朝鮮の総兵力は110万人、作戦機ならば約590機があるといわれています。しかし、数はあるといえども、旧式の装備や旧式機が大半を占めているといわれています。また、本当の戦力を見極めるためには、装備が消耗した時に補充する生産力があるのか、あるいは他国から供給される可能性があるのか、その戦力を活用できる人員が十分訓練されているのかどうかもみていかなければ見えてきません。前述の梅田正巳氏は、「防衛ハンドブック」のデーターを参考に、日本では「ジェットパイロット一人当たりの養成経費」はF15パイロット一人を養成するのに要する期間は、標準で4年9ヶ月、要する経費は5億6885万円かかるといわれているが、もっとも石油が不足し国力が底をつきかけている北朝鮮で、ジェットパイロットだけが十分訓練されているとは思えないとも語っています。食糧事情にしても、最近の韓国の北朝鮮人権団体によると、軍部でも深刻な食糧不足に苦しんでおり、その家族も多くは配給を受けることができなかったと発表されています。テレビなど報道でもあるように、北朝鮮の民衆は危機的状況にさらされています。経済制裁によって、まず苦しめられるのは、私たちと同じ立場の民衆だということを忘れてはいけません。91年の湾岸戦争以降、経済制裁によって苦しめられたイラクの人々、中でも立場の弱い子どもたちでした。
 北朝鮮の核実験などが政府やマスコミなどにより、「脅威」が煽られています。しかし、北朝鮮が核を持たざるを得ないように追い込んでいるのは米国であり、日本です。北朝鮮の立場にたって考えると、米国から攻撃されることが怖くて、「自存自衛」のために核を持とうとしていることが予想できます。今、北朝鮮の「脅威」を煽るのは、国民に緊張を与え、国防意識を高め、自衛隊を「軍隊」へ変貌させるためではないでしょうか。それは、日米軍が合同で北朝鮮を侵略できるシナリオ作りでもあるのです。イラク戦争の時のように、「脅威」を作り出し、「自衛」を口実に戦争を仕掛けるというやり方と同じです。
 私たちは、朝鮮・アジア民衆に銃を向ける訓練である日米共同指揮所演習「ヤマサクラ51」の中止を訴えます。


 連帯労組の川村賢市さん(元自衛官)は「自衛隊に入隊するとき、それぞれが宣誓をする。『私は、わが国の平和と独立を守る』それが始まりであり、『海外に重武装をして派遣される』とは一切宣誓させられない。反戦の闘いをもっともっと大きくしていきたい。反戦団体や個人に対し、弾圧が加えられている。連帯労組に対しても、一昨年から弾圧を仕掛けてきている。連帯労組もみなさんとともに最後まで反戦の闘いをしていきたい」と訴えた。(写真左)
 本連絡会からは、関西事務局の三尾さんが「自衛隊という閉鎖された環境のなかで、政府や自衛隊当局にとって、都合のいい情報が流され、考え方が偏った経験がある。ある意味、イラク派兵に臨む隊員の気持ちもわかる。私たちの運動に批判的だった現職隊員からは、「命令で行かざるを得ない隊員もいる」と自衛隊への抗議に反対する声もあった。自衛官たちをイラクに送っているのは、派兵をとめられない私たち自身であることを忘れてはならない。自衛官たちに、この先、『朝鮮やアジア民衆に銃を向けていいのか』『ともに闘おう!』という気持ちを持ってデモに臨んでほしい」と訴えた。(写真右)

 伊丹駐屯地前で、日米共同指揮所演習「ヤマサクラ51の中止を申し入れる
百万人署名運動 兵庫連絡会と本連絡会

以下は、自衛隊による「日米共同指揮所演習(ヤマサクラ51)」の概要

平成18年度日米共同方面隊指揮所演習(日本)の概要について

陸上自衛隊は平成18年度日米共同方面隊指揮所演習(日本)を次のとおり実施します。

1.目的

陸上自衛隊及び米陸上部隊が、それぞれの指揮系統に従い、共同して作戦を実施する場合における方面隊以下の指揮幕僚活動を訓練し、その能力の維持・向上を図る。

2.期間

平成19年2月4日(日)〜16日(金)

3.場所

伊丹駐屯地(兵庫県伊丹市)

4.実施部隊

(1)自衛隊側

ア 統裁官 中部方面総監 陸将 折木 良一

イ 実施部隊 中部方面隊等 約3,400人

(2)米軍側

ア 統裁官 第1軍団長 陸軍中将 ジェームズ・M・デュービック

イ 実施部隊 第1軍団、在日米陸軍司令部、第9戦域支援コマンド、第3海兵師団等 約 1,400人