畜産動物について
畜産動物の福祉

以前私は豚肉や鳥の唐揚げが大好きな人間でした。彼らのことを何も考えず、肉を一つの物体として考えていました。ただおいしいから、肉が好きだからという理由で、豚や牛や鳥という動物の存在を完全に頭から消し去っていました。無意識のうちに焼肉や唐揚げが豚や鶏の犠牲の上に成り立っているということを考えないようにしていたのかもしれません。でも現在の畜産動物の状況を知って、考えは一変しました。ひどい環境条件の下で、彼らがどれ程苦しみ、傷つき、死んでいったかを知るようになってからは肉類や卵や牛乳を口にすることはなくなりました。代わりに納豆や地卵を食べ、豆乳を飲むようにしています。現在ほとんどの豚は歩き回ることができない程狭い畜舎に過密状態で飼育され、繁殖用の雌豚は繋ぎ飼いをされ、ストールと呼ばれるものすごく狭い枠の中に収容される為、16週間の妊娠中向きを変えることもできません。その為異常行動を見せ始め,感染症や心臓疾患にかかり、苦しんでいます。屠殺される時点で半数は病気にかかっています。
食肉用の子牛はクレートと呼ばれる、向きを変えることもできない程狭い木枠に入れられ、屠殺されるまでの一生をここで過ごしています。
鶏の多くはバタリーケージ(A4サイズ(雑誌位の大きさ))のカゴに閉じ込められています。日本の卵生産率は世界第4位で、1億5000羽位の鶏が飼育されているのですが、針金でできたこのケージは余りにも狭い為羽ばたくことはもちろん、向きを変えることもできません。鶏は1年間卵を産むと産卵を止めるので、経営者は2週間近く水と給餌を止め、絶食状態にさせます。するとまた鶏は産卵を始めるのですが、無理やり産卵をさせるので1年後には身体はボロボロです。一戸につき2万〜3万羽が飼育されている為、多くは病気にかかり、鶏たちのストレスは極限状態に達し、羽の毛は剥けて骨がむきだしになっています。2年間毎日卵を生まされ続け生命力を使い果たした鶏は廃鶏とされ、処分されます。
肉用の鶏も同じように狭い超過密状態の鶏舎で過ごし40日後に屠殺されます。生きたままたくさんの鶏が箱詰めにされるので、輸送中に押しつぶされて圧死するものも多いようです。化学飼料が原因で発症したBSE(狂牛病)やひどい環境条件の下、免疫力が低下したことにより引き起こされた鳥インフルエンザはこのような動物福祉を無視した、利潤追求の経営体制が生んだ副産物であり、起こるべくして起こった結果であり、工場的畜産システムが転換期を迎えている証ではないでしょうか。
今年動菅法の改正がありますが、日本もヨーロッパの基準に従い、2012年までに鶏のバタリーケージやくちばしの切断を禁止し、代わりに平飼い(1uにつき7羽)で,日光浴をさせ、餌は有機栽培とする。スーパーで販売する卵容器には経営者の名前を明記する。食肉子牛用クレートや雌豚用ストールやつなぎ飼いは全面禁止とし、餌は各酪農家が有機栽培した穀物のみを使用。今度の改正案ではぜひ実現してもらいたいと思います。英国では家畜が日中外で過ごし、夜は畜舎で眠る。そして寿命を全うし、自然死した肉がスーパーで売られています。屠殺の方法は麻酔ガスで眠らせた後炭酸ガスを注入することを望みます。
日本ではとうもろこしや麦類の自給率が10%の為年間2700万トンの穀物を輸入していて、そのほとんどが家畜用の飼料に回されているのが実情です。牛肉1Kgを生産するのに7kgの穀物が必要とされ、豚は4kg、鶏肉は2kgが必要です。その為たくさんの輸入穀物が必要となるわけです。
ところが一方世界では8億人以上の人が飢餓や栄養不足に苦しんでいます。もし我々が肉食を止め2700万トンの輸入穀物のうち2000万トンを飢餓に苦しんでいる人達に回せば、一億人の人達を救うことができるわけです。普段我々が何気なく食べている肉が、飢餓の原因に加担しているということを心の隅にとめておいてもらいたいと思います。
現在地球では温暖化が進んでいますが、これも家畜とは無縁ではありません。今世界では13億頭の牛が飼われていますが、牧草を確保する為原生林を切り開き、その為砂漠化が進んでいます。温暖化の一因と言われているメタンガスの12%は牛によるものです。このまま温度が上昇し続ければ、水不足や作物の不作による食料不足が起こり、地球規模での危機がやってきます。日本は京都議定書で2012年までに温室効果ガスを6%削減することを義務づけられている中、我々が真剣に飢えに苦しむ人々や地球温暖化のことを考えれば、牛や豚や鶏を食べ続けてよいのかどうか、おのずと答えは出てくると思います。
そして大手食品メーカーに希望することは、一日も早く代替食肉製品を開発してもらいたい、ということです。日本の技術なら本物の肉と変わらない味を作ることができると思うし、ヘルシー志向の強い日本ならスーパーでの売り上げは本物の肉を上回ることができるかもしれません。(動物権利団体PETAのビデオを見ることができます)
(ベジタリアンの有名人) ミック・ジャガー、ホイットニー・ヒューストン、坂本龍一、スティービー・ワンダー、アレック・ボールドウィン、ポール・マッカートニー、デミー・ムーア、.トムクルーズ、リチャードギア、ブラットピット、ニコールキッドマン、キムベイシンガー、ダスティンホフマン、ポールニューマン、ジュリアロバーツ、キャメロンディアス、レオナルドデカプリオ、マイケルジャクソン、マドンナ、カールルイス、アーノルドシュワルツネガー、

EUにおける畜産動物の福祉の取り組み方と日本の状況

EU(ヨーロッパ連合)では2006年には雌豚用繋ぎ飼いは禁止され、2013年には雌豚用ストールは最初の4週間の使用を除いて禁止されます。豚の断尾と歯削、食肉用子牛を閉じ込めるクレートも英国ではすでに禁止されていて、EU全域でも2007年には禁止される予定で、2億7000万羽以上の産卵鶏の90%がバタリーケージで飼われているにもかかわらず、EUでは2012年までにこのバタリーケージをも禁止することに同意しています。
ちなみにスウェーデンでは2004年の一月でバタリーケージは禁止されており、一平方メートルに7〜9羽の平飼いか、大きなケージ(6〜10羽)での飼育のどちらかで飼われていて、ケージの中には砂やとまり木、産卵箱が入っています。当然卵の値段は上がりますが、スウェーデンの人々は動物保護に熱心な為、不満は出ていません。
日本でも消費者の安全性に応え、また動物福祉の観点からも有機畜産を進めようという地域が出始めています。
茨城県にある魚住農園では600羽の放牧養鶏を実践しています。抗生物質、ホルモン剤等は一切使用せず、くちばしを切るデビーキングや人口照明等はもちろん行っていません。輸入飼料は一切使わず、自給できる飼料と地域で得られる酒粕や米ぬかや緑餌を与えていて、魚住農園には有機農業をめざす若者が世界中から訪れています。
タカナシ乳業は千葉県の大地牧場と提携し、日本で始めてアメリカの有機認証団体QAIの認証を受けた有機牛乳の生産を2001年より開始しています。大地牧場の乳牛飼養頭数はおよそ200頭で、牛舎に隣接している草地が30haあり,牧草を無農薬・無化学肥料による有機栽培で栽培しています。乳牛には100%有機飼料を与え、フリーストール形式の採用、医薬品は一切使用しない等、アメリカの厳しい有機畜産基準を遵守しています。加工された牛乳はタカナシ乳業の販売店を通した宅配ルートを中心に1本(200ml)120円で販売されており、一部スーパーでは140円で販売されている。値段は高いが有機牛乳への消費者ニーズは高く、生産量が不足するほどです。
静岡県にあるJA富士開拓は放牧酪農や放牧養豚、そして酪農生産の副産物である堆肥を使用した高原野菜作りと、畜産と耕種を組み合わせた地域複合経営をJA自ら主導している。配合飼料も一部与えているが、非遺伝組み換え飼料を使っています。豚は採草地の中で水遊びをしたり、走り回ったりしています。
残念ながらこうした取り組みを行っている生産者や企業はごくわずかであり、多くの畜産動物はひどい環境下で苦しんでいます。動物福祉の先進国であるヨーロッパでは着実にアニマルウェルフェアの成果を挙げています。
日本でも動物福祉に配慮した酪農の生産構造に転換し、有機畜産を実践してゆく時期にさしかかっているのではないでしょうか。
(参考文献) 2003年11月 月報「畜産の情報」 日本獣医畜産大学 永松美希

正しい卵の選び方

スーパー等のお店で「1パック100円」等の安売りをしていることがありますが、これは鶏がとても過酷な条件の中で飼育され、生産コストを下げているからです。身動き一つできないせまいケージに入れられ、ストレスの為にたくさんの鶏がショック死しています。一日二個以上の卵を産ませる為に、昼間なのに真っ暗にして、電気をつけたり消したりしています。餌は遺伝子組み換えのトウモロコシ、抗生物質、汚れた近海で採れた魚粉等で、鶏はストレス等により免疫力が落ち、病気にかかっています。
卵によるアレルギーやアトピーは卵自体に原因があるわけではなく、鶏の餌が原因のようです。
一方鶏の福祉を考えているごく一部の生産者は太陽の下で放し飼いにして、抗生物質を使わない有機飼料で育てています。こうした自然に近い形で生産された卵は割高ですけど、白味の張りが違い、黄味の部分がぽこんと盛り上がっていて、見るからにおいしそうです。このような卵は、どのように生産されたかという表示が記されています。
動物福祉に考慮した、安全な卵を選ぶのが賢い消費者の選択だと思うのですが、皆さんはどう思いますか。
(参考文献) エコロジーシンフォニー 2000年6月号

畜産動物の生きる権利

1948年の国連総会で世界人権宣言が採択され、全ての人間は生まれながらにして自由であり、いかなる差別をも受けることなく、生命の安全を保障され、奴隷にされることもなく、あらゆる権利と自由を享有することができると謳われている。もしもこの第一条の「すべての人間」を「すべての動物」としていたら、世界の情勢は大きく変わっていただろう。
人間が他の動物より知能が高く、話すことができるからといって、知能の低い、話すことのできない動物達を差別してよいのだろうか。ちなみに他の動物達が話すことができないのは、知能が低く、物を考える力がないからではなく、声帯状の構造から声を発することができないだけであり、人間と同じように物事を判断し、考える力はあります。英国の大学の研究者によると、鶏たちはお互いに例を示して教えあったり、励ましあったりし、豚は霊長類のような高度な社会関係を築くことができるそうです。
牛や豚や鶏が野生動物だったら、群れを作り、子供を産み育て、草を食べながら社会生活を営んでいくことができたでしょう。そこには人間も、牛も、豚も、鶏も同じ地球上で、生態系を維持していく動物として何の違いもなく、平等に生きていく権利を謳歌していいはずです。
人間だからといって、自分達より知能の低い、話すことのできない動物達を捕まえて、家畜として食べたり、利用したりする権利はないはずです。正直僕は今でも肉が食べたいです。でも食べることはしません。彼らにも生きる権利があり、僕には彼らを食べる権利がないからです。
人間はライオンやハイエナではありません。肉を食べなくても植物からたんぱく質を摂ることができます。人間が肉を食べるのは生きていく為ではなく、単純に肉を食べるのが好きだからです。アメリカの統計調査により、ガン、心臓病、糖尿病、脳梗塞等で死亡する人は、肉を食べる人の方が、食べない人よりはるかに多いということがわかっています。
肉を食べるということは、牛や豚や鶏を間接的に殺しているということであり、どうしても肉を食べたいという人は現在のひどい飼育状態や屠殺場で殺されている畜産動物の実態を知るべきです。それでも肉を食べたいと思うなら、肉を口に運ぶ時、犠牲になった尊い命に感謝をするべきです。それが肉を食べる人に課せられた義務だからです。
本来肉を食べなくても生きていかれる人間が、肉を食べたいと欲するのは、人間の心の中に利己主義というものが、本能的にあるからです。動物に対し残酷な行為ができるのも抑制のない利己主義から生まれてくるものであり、畜産動物を食べるという行為に対し、法律で処罰されることもなく、罪悪感も感じない現代人が、畜産動物に対し、「生存権」も「自由や幸せを求める権利」も認めない最大の原因は、人間が持っている利己主義がそうさせているのではないでしょうか。
人間と牛や豚や鶏との違いは、ほんの少し人間の方が知能が高いというだけである。悲しみ、苦しみ、喜び等の感情は全く同じであり、精神的な苦痛、肉体的な苦痛も全く同じである。屠殺場で壁にたたきつけられたり、頭や体をこん棒でなぐられたり、首を切られたりして、それが痛くない訳がない。
それに対し何も感じない、それを平然とやってのける人間こそ、人格の欠如、理性の低さを示しているのではないだろうか。今も世界のどこかで行われている戦争、便利さや娯楽を求めて自然を壊し続け、めちゃくちゃになった生態系を次の世代に渡そうとしている現代人こそ、畜産動物やその他の動物よりも劣っているのではないだろうか。
そして我々人間が今一番必要なことは、利己主義を捨て、謙虚な姿勢に立ち返ることではないでしょうか。
動物保護団体「PeTA」のビデオを見ることができます。

PS.殺されていく畜産動物や毎日4万人が飢えで死んでいることを考えたらつい熱くなってしまい、気を悪くなされた方がいらっしゃったら素直に謝ります。

鶏への蛮行

農林水産省の統計によると鶏の消費量は年々増加しており、平成15年において国内の鶏およそ6億羽が食用にされ、輸入された鶏肉はおよそ46万6000tです。つまり年間でおよそ7億7300万羽の鶏が日本人によって食べられている訳ですが、その増加の1つにファーストフード店の拡大、鶏においてはケンタッキーフライドチキン社の日本進出があげられます。
動物保護団体PeTAのメンバーが今年ケンタッキーフライドチキン社の下請けのピルグリム・プライド鶏肉加工工場内(ウエストバージニア州)の撮影に成功し、このビデオがインターネット上で公開されました。
このビデオには従業員達が鶏を蹴飛ばす場面、壁にたたきつけたり、踏みつけたりして鶏を殺しているシーン等が写っています。PeTAのメンバーが2003年の10月から今年2004年の5月までこの工場で働き、極秘に撮影したもので、従業員達は生きている鶏に対し、くちばしから引き裂く、首をねじ切る、タバコを鶏の口や目につっこむ、半分に引き裂く等の行為をしていたことが判明しました。
ケンタッキーフライドチキン社の担当者は「残酷な扱いをしない事が証明されるまで、一切鶏肉の仕入れはしない」と述べていますが゜、これはあくまでウエスト・パーシ゜ニア州の工場だけで、他の州のピルグリムズ・ブライド社の工場からの仕入れに関しては何ら言及されていません。
動物保護団体PeTAは昨年からKFC社に対し、動物虐待を訴え続けており、同様の行為をしていたマクドナルド、バーガーキング等のファーストフードチェーン店を訴え、これに勝訴しました。
鶏は生まれてから死ぬまで、短い命を閉じ込められた狭い空間で、人間の為に肉と卵を生産する為にだけ生きています。人間は鶏を同じ生き物として認めず、肉や卵の「生産装置」に変えてしまいました。それにより発生した鳥インフルエンザの蔓延は彼らの命を奪いましたが,同時に経営者の損害にもつながりました。僕にはこれが、人間に対して鶏のできる唯一の、そして捨て身の復讐ではなかったのか、そんな思いがしてなりません。
鶏肉を食べる人は間接的に鶏を殺しているのと同じです。でも僕には鶏肉を食べる人を止める権利はありません。でも鶏肉を食べる人も、鶏を殺して食べる権利はないのだということを理解していただきたい、と思います。
(参考サイト) AZOZ
PeTAのビデオを見ることができます。

肉食がもたらす飢餓と病気

現在世界の人口は、およそ60億人といわれています。そのうちの8億人以上が飢えに苦しんでいます。栄養失調の為毎日4万人、1年間で1500万人の人が亡くなっています。そのうちの1000万人が子供たちです。世界の穀物生産量は年間約17億トンで、1人当たり1年に280kgの穀物が世界中の人に分けられることになり、飢餓に苦しむ人はいないはずである。
それにもかかわらず、毎年1500万人の人達が死んでいるのは、穀物の分配がうまくいっていないからです。例えばアメリカでは1人当たり年間1万t以上の穀物を消費しており、アフリカでは1人当たり200g以下である。穀物分配のアンバランスは先進国と発展途上国との経済格差が大きく関与しています。
しかも先進国では穀物の80%以上を畜産動物に食べさせているのである。なぜなら牛肉1kgを作るのに8kgの穀物が必要であり、豚肉なら4kg、鶏肉2kg、といった具合である。
本来発展途上国に回ってくるべき穀物が、食肉用に使われている訳だから、経済力の乏しい国はいつまでたっても食糧難を解消できず、飢えに苦しむのは当たり前である。我々先進国の人間が肉を食えば食うほど、発展途上国の人たちは死んでいくのである。
現代人の食肉は年々増加しており、それと共に生活習慣病の人も増加しています。コレステロールの蓄積により、心疾患や高血圧症、糖尿病、脳血管障害等が引き起こされ、死亡者が増えています。ガン死亡者は50年前と比べて15倍に増えており、その原因が食肉によるものだということが、専門家により解明され、今後野菜や繊維質食品を多く摂取する食生活に変えなければ、益々病気が増えていくだろうと警告しています。
工場式農業における現代の鶏、豚、牛は、地球上で最も薬づけになっている生き物です。その為畜産動物は免疫力が落ち、様々な細菌が生まれる源になっていて、鶏肉の60%がサルモネラ菌やカンピロバクター菌に汚染されています。
豚に対する薬の使用量は群を抜いており、免疫力の落ちた豚たちのほとんどは病気に罹っています。スーパーの肉やファーストフード店のハンバーカ゛ーやフライドチキンは、抗生物質によって汚染された肉が使われており、免疫力の弱い子供たちには非常に危険な食べ物だと言われています。
我々が肉を食べるということが、発展途上国の飢餓という問題を引き起こし、又先進国の人間の健康をもむしばんでいるという現実を、しっかりとみつめることが、必要であると思います。
(参考文献) 「肉食が地球を滅ぼす」 中村三郎・著 ふたばらいふ新書

(リンク先には心が痛む画像が含まれていますので、真実を知りたい方だけお入り下さい)
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