クリーニングのここだけの話

up date:2004/01

毎日のように全国各地から質問が寄せられています。クリーニングに関する質問は、富山県NO.1品質のに勤める作者がお答えしていましたが、仕事が忙しく返信ができない状態が続いています。
しばらくの間質問の受付を休止いたします。休止してからも質問がよせられていますが、まったく返信できません。現在、質問をいただきながら、返答していない皆様、ごめんなさい。

A.よくある質問
B.トラブル集
C.品質表示集

よくある質問

Q6クリーニングに出しても、しみは取れないの?
A6しみがついた場合は、なるべく早くクリーニング店にご依頼ください。1週間を境に取れにくくなります。クリーニングに依頼する場合は、何のしみかを伝えてください。その方が、処理しやすく取れやすいのです。
注意していただきたいのは、しみは必ず取れるものではありません。最近のしみは、取れにくい傾向にあります。食文化が変わってきたことも関係があると思うのですが、簡単に取れた油汚れも、取れにくくなってきています。また、繊維もデリケートな素材が増え、しみ抜き処理が出来ない素材や、しみが取れにくい素材もあります。
しみ抜きが出来ない素材とは、しみ抜きをすることで、色抜けや白化・輪ジミを引き起こす素材で、具体的にはレーヨン・テンセル・麻・綿・シルクなどです。また、しわ加工やプリーツ加工など特殊な加工が施されている物も、加工が取れるので、しみ抜きは出来ません。
しみが取れにくい素材とは、ストレッチ素材です。科学的な根拠はわかりませんが、実体験として非常に取れにくいです。
組成もほとんどが混紡です。100%の物は結構少ないですね。混紡は、シミが取れにくい傾向にあります。この繊維には、このしみ抜き方法が有効だが、もう一方の繊維には悪影響を及ぼすので使えない等ということがあります。全く正反対の性質や取扱いの繊維同士の混紡の物さえあります。洋服購入時には、ファッション性だけでなく、アフターケアも考慮に入れてください。

Q5ガムって、とれる?
A5ガムは油脂ベースなので、油に溶けやすいのです。ドライクリーニングの溶剤は油ですので、簡単な物なら洗っただけでも落ちます。そうでなくても、油性のシミぬき剤で取れることが多いです。
注意していただきたいのは、ガムがついたからと慌てて擦り取るのは生地にすり込ませているのと同じですので、余計取れにくくなります。クリーニング店に相談するのが一番良いでしょう。

Q4カシミヤって、何?
A4カシミヤは、カシミヤヤギの毛で、太く固く長い「刺し毛」とその根部分のふわふわの「うぶ毛」があります。気温が高くなってくると自然に抜けてくる毛を櫛ですき取り、その中の「刺し毛」を除いた「うぶ毛」が「カシミヤ原毛」となります。したがって、「刺し毛」が少なく、「うぶ毛」が多いほど高品質となります。
ウールは小羊1頭当り1.5〜2kgが年2回取れるのに対し、カシミヤ原毛は1頭当り200〜300gしか取れません。洋服に換算すると、セーター1着で3.5頭分、コートで30頭分のカシミヤ原毛を使います。カシミヤヤギは草原の草を食べ尽くしてしまう為、数を増やせない事情もあり、カシミヤ製品は高価格になります。
<性質>
  • なめらかさ・・・羊毛は、タケノコ状の固く厚いスケール(うろこ)がありますが、カシミヤは、スケールが薄く平らになっています。さらに、毛髄という節がない為、カシミヤ特有のなめらかさや光沢を出しています。
  • やわらかさ・・・羊毛の1/3の15ミクロンという毛の細さが、あのやわらかさ・軽さに表れています。
  • <注意点>
  • 性質とは反対にそれだけデリケートで、耐久性がなく弱い。
  • 特に水洗いすると、収縮し風合いが著しく変化する。
    したがって、ご家庭での洗濯はお勧めできません。また、クリーニングに出す場合でも、信用のできるお店でデラックスコースなどのワンランク上のクリーニングコースにすると良いでしょう。
  • <購入>
    購入する場合、品質と価格を照らし合わせ、TPOを考え、コストパフォーマンスの良いものを選びましょう。消費者センターが4種類のカシミヤセーターの着用後と洗濯後の品質調査を行いましたが、低価格のものほど着用後・選択後に毛玉や毛羽が立ちやすいという結果が出ました。また、高価格のものほど肌さわりが良く洗濯後の縮みが小さい結果が出ました。値段やブランドで選ぶのではなく、品質をしっかり見ましょう。
    Q3きものや毛皮って、洗えるの?
    A3洗えます。特殊な洗いの為、普通の物と比べ時間と値段がかかります。キモノは1回でも着たら、クリーニングに出した方が良いと思います。そのまま収納しておくと、汗による黄変やシミが出き、シミ抜きしても取れにくくなります。毛皮は普段から手入れをしていれば、しょっちゅうクリーニングに出す必要はないと思いますが、手入れが十分ではない場合が多いので、毎年クリーニングに出し、点検してもらった方が良いかと思います。

    Q2ドライマークが家庭洗濯機で洗える洗剤が出てるけど、本当に洗えるの?
    A2洗えます。しかし、ドライマークが家庭洗濯機で洗える洗剤を使っても、あくまでも水洗いなので、結局ドライマークの物が洗えるのではなく、水洗いできる物が洗えるのです。確かに、型崩れ防止剤(整形剤)や油性洗剤分が入っているので、通常の水洗いよりも型崩れしないし、油性の汚れは取れると思います。何でも洗うと縮み・色落ち・型崩れ等の失敗をしますので、十分注意が必要です。
    でも「直してほしい」と依頼がありますが、元に戻すことができない物も多くあります。ご注意ください。
    個人的にはこの手の洗剤は、あまりお勧めできません。国民生活センターの実験で、クリーニング店の汚れ落ちは、この手の洗剤の汚れ落ちの10〜20倍というデータも出ているくらいですから。どちらも長所と短所があるので、上手に使ってください。。

    Q1ドライクリーニングって何?
    A1クリーニングには、大別してランドリーとドライクリーニングがあります。ランドリーとは、水洗い(実際は、お湯洗いですが・・・)です。ワイシャツやシーツ・白衣のクリーニングは、これになります。一方、ドライクリーニングは、水洗いに対して簡単に言うと油洗いです。油の一種で、パークロロエチレンやゾールと呼ばれる液で洗っています。水洗いは、汗などの水溶性の汚れが落ちやすいが油性の汚れが落ちにくい。ドライは、その逆になります。
    では、なぜドライクリーニングなのでしょう?それは、水洗いすると縮み・色落ち・型崩れする物を、そうならないように洗う方法がドライクリーニングなのです。

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    トラブル集

    事件1カビが生えちゃった!
    解決1今年もかなり湿気が多くなっています。メールによるカビの相談が多く寄せられています。クリーニングしてない物はもちろん、してある物でもカビがでています。カビの原因は、菌・酸素・湿気・栄養素です。洋服自体が栄養素であり、菌・酸素・湿気は、どこにでもあります。クリーニングによる洗い、アイロンによりカビ・虫は死滅します。しかし、菌は空気中に浮遊しており、すぐくっついてしまいます。そこで、湿気が多いとカビが出てしまいます。収納される時は、包装ビニールから取り出し、風通ししてから収納されることをお勧めします。また、保管パックに入れることをお勧めします。もしカビが出た場合、信用のおけるクリーニング店に相談しましょう。
    事件2皮革調のダウンジャケットが硬くなってひび割れした!
    解決2品質表示に塩化ビニールかポリウレタンまたは、コーティング加工と書いてないでしょうか?
    <塩化ビニール>
    皮に似せて作ってあるビニール調の物で、可塑剤を混ぜた塩化ビニル樹脂を布に塗ったり貼ったりしてして作られています。強い樹脂膜で空気や湿気を遮断するので、レインコートや靴鞄などに使われています。ポリ塩化ビニル樹脂は、硬くそのままでは使えないため柔らかくする可塑剤が混ぜられています。
    <注意点>
  • 可塑剤はドライクリーニング溶剤に溶けやすく、溶け出すとポリ塩化ビニルは元の硬さに戻ってしまいます。したがって、塩化ビニルはドライクリーニングできません、水洗いが適当です。製品によっては、間違った洗濯表示になっているものもあります。
  • 時間が経つにつれ、可塑剤が自然になくなるので次第に硬くなり、摩擦でひび割れ亀裂が起こります。
  • 気温が下がると硬くなる。
  • 熱に弱いので、アイロンがけはしないほうが良い。
  • <ポリウレタン>
    ポリ塩化ビニルの欠点を補ったのが、ポリウレタン樹脂で弾力性・通気性があります。これは、合成皮革や人工皮革に使われています。
    <注意点>
  • 水・酸素・光などに弱いため、時間が経つにつれベタつき剥がれる。
  • 紫外線の影響を受けやすく、劣化が進行する。
  • ポリウレタンの耐用年数は、製造されてから約2〜3年である。注意したいのは、工場で作られた瞬間から劣化が始まっているので、製造から3年経っているものは購入してもすぐ着用できなくなるということです。ある有名ブランドのバックにポリウレタン樹脂が使用されていた為、数年後にベトベトになったということがありました。
  • クリーニングは、お勧めできません。水にもドライ溶剤にも弱く、劣化していた場合コーティングがはがれたりします。
  • 事件3ストレッチ素材にご注意!
    解決3最近よく聞くストレッチ素材ですが、その名のとおりゴムのように伸び縮みする素材です。これは、5〜8倍に伸びるポリウレタンを3倍に伸ばし芯糸にし、その芯糸に他の素材の糸をらせん状に巻きつけたものです。3倍に伸ばしているため、元に戻ろうとするので、これにより着用した時のフィット感がでます。
    <注意点>
    1. 芯糸にポリウレタンを使っているので、湿気により繊維がもろくなります。また、水洗いすると縮みます。したがって、水洗いは避けるべきです。
    2. 染料を吸いやすいが染着してない為、色が出やすい。その染料は、ドライクリーニングの溶剤に溶け易いので、ドライクリーニング後に色が抜ける現象が出てきます。
    3. 塩素系漂白剤・ガス・紫外線(日光・蛍光灯)で、黄ばみ、もろくなります。
    <トラブル>
    この素材はトラブルが起きやすいのです。
    1. しわが伸びない…アイロンをかけるのですが、ひじの内側・背中・ひざの裏などのしわは、跡がついているかの様に伸びません。また、その他の部分でも、生地が元に戻ろうとするため小じわができてしまいます。
    2. シミが落ちない…水に弱いので、水溶性のシミ抜き剤は使えないため、水溶性のシミは落ちません。
    3. 型崩れする…繊維がもろくなってくると伸縮性がなくなり、ゴムが伸びきった状態になるので、フィット感がなくなり、ダラッとなり型が崩れます。また、しみのついた部分だけ水をつけていた場合、その部分だけ繊維の劣化が早く、その部分だけ型が崩れる場合もあります。

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    品質表示集・洗濯絵表示

    洗濯絵表示の海外表示とJIS表示の違い

    外国からの輸入製品が多くなり、品質表示や洗濯絵表示に外国語が使われています。
    また、日本語と外国語の両方が書いてある場合、品質表示や洗濯表示でまったく違う表記の場合があります。 例えば、海外の洗濯絵表示では水洗い・ドライ両方O.K.なのに、日本の洗濯絵表示は全部×になっている場合があります。

    1. 洗濯方法の違い
      日本の水は良質の為、水を多く使います。一方、ヨーロッパでは水が硬水の所が多く、少量しか使わない。
    2. 文化・環境の違い
      イタリアでは、染色堅牢度(色落ちの度合い)よりも色やデザインの方が重要視されている為、一般的に染色堅牢度が低い。ヨーロッパは、乾燥している為あまり汗をかかないので、洗濯の頻度が低い。
    3. 変化に対する消費者の基準の違い
      日本の染色堅牢度は、世界最高水準である為、日本の消費者は色落ちなどの変化のしにくい商品に慣れているので、変化には敏感である。海外では衣料は着用すれば古くなるという考え方が強く、日本では洗濯すればきれいに元どおりになるという考え方が強い。

    品質表示の海外表示とJIS表示の違い

    日本語略号英語フランス語イタリア語ドイツ語
    羊毛WOwoollainelanaWolle
    アルパカWPalpacaalpagaalpacaAlpaka
    らくだWScamelchameaucammelloKamel
    カシミヤWScashmerecachemirekashmirKasehmire
    モヘアWMmohairmohairmohairMohair
    アンゴラWAangoraangoraangoraAngora
    SEsilksoiesataSeide
    綿COcottoncotoncotoneBaumwolle
    亜麻LIflax/linenlinlinoFlachs
    アセテートACacetateacetateacetatoAcetat
    レーヨンVIrayonviscoseviscosaViskose
    キュプラCUcuprocuprocuproCupro
    アクリルPCacryleacryliqueacrilicaPolyacryl
    ナイロンPAnylonpolyamidepoliammidicaPolyamid
    ポリエステルPLpolyesterpolyesterpoliesterePolyester
    ポリウレタンPUpolyurethanpolyurethannepoliuretanoPolyurethan

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