| 連載Webエッセイ『路傍のダリア』 最終回によせて |
約5が月にわたってお楽しみいただいた連載WEBエッセイ『路傍のダリア』は、第3章の終了をもって最終回とさせていただきます。たくさんのアクセスとご支援、本当にありがとうございました。
ここから先(第4章以降)もぜひ、書籍『路傍のダリア』でお読みくださることを、心より願っております。
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| 連載最終回---2006/4/27(木) |
3章 「真実の扉」 より
■根性の新聞配達 ■アカギレと飯炊き ■親友との別れ |
■根性の新聞配達
甘木の家の一階は新聞の販売所だった。朝早くから動き出し、大人や子供の配達員たちが集まって新聞の束を運んでゆく。急に下が騒がしくなり、ガタガタという自転車の音が聞こえて一瞬目が覚めるが、時間まで再び布団に潜り込む。夜が明けて町が動き出す前、隙間の時間に働く人たちがいることをこの家で知った。下の階に降りて作業所になっている板張りの部屋を覗くと、残った新聞が隅のほうに乱雑に放置されていたりした。
朝から怒号が飛び交うこともあった。人が急に休むと、代わりに人員を動かさないといけない。早朝のことだから、なかなか交替員は見つからず、仕方なしに店主が自転車で慌てて出かけることもあったようだ。
ある時、バイトの高校生が病気になり、一人辞めることになってしまった。そこで販売店のオジさんは私に白羽の矢を立てた。いつも物珍しそうに作業所を覗き込む様子や明るくて元気な性格を見て、これなら大丈夫と思ったのかもしれない。 「正子ちゃん、新聞配達をやってみるかね?」と相談を持ちかけられて、私は考えた。朝は早いし起きられるかなあ。するとオジさんは「うちでお仕事するとちゃんとお小遣いをあげるよ」とたたみかける。お小遣いと聞いて私は飛び上がった。「うん、やるっ。やりたいっ!」と即答し、翌日から始めることにしたのだ。母は少し心配そうに「大丈夫? 正子、新聞配達は朝が早いけど、起きられるのかしらねえ?」と言う。「大丈夫。正子、ちゃんと起きて新聞配達やるから」。
翌朝は目覚まし時計を掛けて、ちゃんと起きることができた。もの凄く眠かったが母に絶対にサボらない、と約束させられたのだ。顔を洗って一階に降りると、オジさんとオバさんがにこにこ笑って迎えてくれた。「あらあ、正子ちゃん。お利口に起きてきたねえ。じゃあ、これからオバさんと一緒に配達するお家を回ろうか」。初日は契約している家々を覚えるために、一緒に配達して回るのだ。
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| 書籍『路傍のダリア』 ご購読のご案内 |
| 書籍『路傍のダリア』(青葉陽子 著)は、メディアート出版より2004年1月に初版が刊行されております。各章のカバーページには著者・青葉陽子のポートレートをはじめ、懐かしい故郷の風景なども掲載されています。 |
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WEBエッセイ『路傍のダリア』と併せて、書籍『路傍のダリア』をぜひご購読ください。
定価1,575円(税込) ISBN4-916109-59-7 C0030
発行■(株)メディアート出版 |
四六版
ソフトカバー
220ページ |
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●著者紹介
青葉陽子(あおばようこ)
台湾生まれ、福岡市出身。
九州女子高等学校卒業。
日舞華毬流名取
「華毬若寿(はなまりわかじゅ)」。
ヴォーカル株式会社代表取締役。 |
●目次
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●連載WEBエッセイ
『路傍のダリア』
3歳の時から、祖母によって厳しく日本舞踊の手ほどきを受け、いつの間にか人前で踊ることが喜びに変わっていく、それが高じてやがて芸能界入りを志す。そんな女性が、幼少時代から青春時代を自ら振り返り、一冊の本にまとめました。
ほろにがい初恋、ディック・ミネ氏との出会いetc…読み進むうちに、いつも前向きで好奇心旺盛な「正子ちゃん」の世界に、ぐいぐいと引き込まれずにはいられません。
WEBエッセイ『路傍のダリア』は隔週木曜発行。どうぞお楽しみに・・・! |
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